きまま日記

'00年春2(00/04/02〜00/05/17)

========5/21に日本に帰国しました========

00/05/17(水) 卒業
今アメリカでヒットしていて繰り返しラジオから流れてくる曲の中に、Vitamin CのGraduation(卒業)というのがあります。日本では、3月に卒業をテーマにした曲が人気になるように、5月のこの時期は、アメリカでも、この爽やかな気候の中で、卒業を迎えてセンチになる人がたくさんいるのでしょう。
学生時代ははるかかなた昔のことですが、5月で卒業して親しい友と別れていくという状況が、今回のアメリカでの仕事を終えて帰国する私の状況と似たものに思え、この曲を聴くたびにちょっとしんみりしてしまいます。曲の前後で若者がつぶやく台詞に、思わずぐっときてしまうのです。I will remember.  I will miss everybody.
そうして、アメリカでは5月末のMemorial Dayを境に長い夏休みに突入です。日本のゴールデンウィークを逃し、アメリカのMemorial Dayをも逃してしまう私に、夏休みはいつ来るんだ?

00/04/29(土) キリストと魚
前回に続き、キリスト教関係のお話。
時々、右の写真のような、車の後ろや玄関の扉の近くに貼り付けられている魚のマークを見て、何の印だろうと思っていました。
この魚はキリストを表すのだそうです。
ギリシャ語で「イエス・キリスト、神の御子、救世主」と言うと、Iesous
CHristos THeou Uios Soterとなり、そのイニシャルICHTHUSが同じギリシャ語で魚を意味するからなんだそうです。
つまり、
魚マークはクリスチャンの印なのですが、クリスチャン全員がつけているわけでもなく、会社の駐車場をうろうろ探してみても、1割も見つけられません。


魚の中にはJESUS LIVESとある

そういえば、日曜日に礼拝に行くっていう人も余り聞かないし。ヨーロッパでは町の中心に教会が建っているのに比べ、この辺りはショッピングセンターやビルに埋もれて一体どこにあるんだろう?と思うほど、教会の存在が薄いように感じます。
00/04/23(日) イースター
今日4/23はイースターサンデー。週末の金曜日や月曜日がイースターホリデーとして休みの企業もあったはず。イースターとは、イエス・キリストの復活を祝うキリスト教の祭りで、春分の後の最初の満月の次に来る日曜日がイースターサンデーになります。
「イースターの休み用にうちではハムを注文したのよ」なんて、家族の集まる晩のご馳走を考えていたり、いつもの別れ際の挨拶、Have a good day(よい一日を)の代わりに、Have a good Easterなんてのが使われたり、いつもとちょっと違った週末です。24時間週7日営業のスーパーも、イースターサンデーは4PMで店じまい。高速道路はいつもより交通量が多いし、空港もふるさとに帰る人やバカンスに出かける人で混雑。
バレンタインデーがすぎると、店頭にはイースターの小物であるウサギにちなんだお菓子やパステルカラーに塗られた卵が並び始めます。卵は、死んでいるかのような殻から生命が誕生するので復活の象徴になっています。このイースターエッグを隠して子供達に探させるという習慣があります。
これにちなんで、コンピュータ用語では、ソフトウェアの開発者がプログラムにこっそり埋め込んだ簡単ないたずらのことをイースターエッグと言います。一般に知られていない特殊な操作をすることで、開発者の埋め込んだトリックを探し出すのがイースターエッグを探し出す作業と似ているからなのでしょうか。

00/04/21(金) 映画の影響
数日前に掲示板のコメントにも書いたけれど、やたら派手で人を簡単に殺してしまうアメリカの映画は、人に特に子供に多大な影響を与えていると思います。映画の中で、悪者は必ず最後に殺されるし、悪者でなくても主人公の目的を邪魔する人は簡単に殺されてしまう。そんなに簡単でいいのか?高校生の銃乱射事件の後に、日本のテレビゲームの過激な内容の影響だなんて日本の会社を訴えた人がいましたが、私はアメリカの映画の与える影響の方がよっぽど強いと思っていました。アメリカ人は何も感じないのだろうか?と不思議に思っていたところ、昨日、映画の暴力についてとりあげられているニュースを見ました。コロンバインの高校の銃乱射事件から1年たち、クリントン大統領が要請した、映画の暴力シーン削減の検討がどれほどなされているのかを調べるというものでした。結果、殆ど減っていない。アメリカ人も映画の暴力シーンが度が過ぎていると感じているのかしら。それとも全然関係ないと考えているのかしら。

00/04/18(火) cubicle
今いるオフィスは、一人分のスペースが広い上についたてで仕切られ、ちょっとした小部屋になっています。キュービクル cubicleと呼ばれています。日本のオフィスでも各人の机の上がそれぞれ違うように、各キュービクルの中や外の壁は各人各様にレイアウトされ個性がでています。多いのは家族や恋人の写真、他に、子供のお絵かきや工作、趣味の写真、ひいきのスポーツチームの旗や地図やぬいぐるみ、観葉植物などなど。お菓子を常備してお好きにどうぞと振舞っている人も。季節もののハロウィンやクリスマス、イースターなどの飾り付けをする人もいますが、これは少数派かも(そういえばいつまでもハロウィンのときのこうもりをぶらさげている人がいる…)。以前いたオフィスでは、ハロウィンの社内パーティの一部としてキュービクル飾り付け大会もあり、賞をもらった部屋の人は、通りがかる人から賞賛を浴びていました。
写真は、他の人の部屋を無断で写真に撮るわけにもいかないので、お恥ずかしながら私の机の上。なんということもないある朝の風景です。朝食のおにぎりと玄米茶を入れてみました。日本の友人にリクエストした富士山の写真を飾っています。

00/04/15(土) 再会
学生時代の友人達と数年ぶりに再会した。
この2,3日、少し気分が落ち込んでいた。どうしようどうしようと一人でぐるぐるしていた。
二人に近況を話して、大分気分が落ち着いた。
マンハッタンに渡るHollandトンネルが、予想をはるかに越えた混み具合で、20分の遅刻。着くなりいろいろ質問攻めにあう。ゆったり昔話でもしようと思っていたのに。
あれこれ昔話もした。その当時どう思っていたとか。十数年たって知る真実。へえーと思う。
別れ際、じゃあ…と言ったまま立ち去り難い。自然と抱き合った。彼女が帰国子女だったからっていうのも、場所がアメリカだったからっていうのもあるだろうけど。数年ぶりに会ってまた数年会わないだろう。

私に勇気を与えてくれてありがとう。私を快活にしてくれてありがとう。本当に友はありがたい。大切にしたい。いつ会ってもどこで会ってもこの気持ちは変わらない。ここがマンハッタンというのが不思議という気もするし、どこでも同じという気もする。

00/04/09(日) 寒の戻り
いつものように目覚めて窓に目をやると、カーテンの隙間から見える色がいつもの緑ではなく、やたら白いのです。寝ぼけた頭で、まさかねと思いつつカーテンをシャーッとあけると…一面銀世界でした。さらにどんどん降っています。10cmは積もっていそう。手袋どこにしまったっけ。雪かき棒も出さなくちゃ。日曜日の朝早くから速攻で除雪車が通ったらしく、通勤には何の支障もありませんでした。あ、でも他の道を通った人が、2台ほど脇に突っ込んで動けなくなっている車があったって言ってたなあ。
今ごろ雪だなんて異常すぎる…とぶつぶつ文句をいいつつも、なぜか気分はうきうき。ところが昼から次第に晴れ始め、強烈な日差しであっという間に雪も溶けてしまいました。写真は、間違い探しの絵のような出勤時と帰宅時の駐車場の様子。地元の人に聞いてもやはり今の季節の雪は滅多にないことらしいです。


出勤時


帰宅時

00/04/05(水) 宿との出会い
5年も前に一度泊まった宿のおかみさんから、つい先日メールを頂きました。ホームページを偶然見つけて頂いたそうです。ずいぶん前のことだし、常連でもない客にもこうして後フォローも丁寧な宿は、またぜひともお世話になりたいし、知り合いにも勧めたくなってしまいます。
女将(おかみ)というと、和服できりりと立ち働くしっかり者というイメージがあります。よく旅番組などでも各地の宿の女将の奮闘記などを放映することがありますね。宿に限らず、自営業というのは自分の器量・裁量が物言う商売なだけに、気苦労も多いのでしょう。それだけ、真剣勝負のドラマチックな毎日なのかもしれません。旅好きで宿をよく利用する私からみると(…といっても、風格のある宿には恐れ多くてまだまだ近寄れないのですが)、宿の方針が末端まで行き届いる所は、とても心地よい滞在ができると感じています。それも女将の目がきちんと隅々まで光っているということなのでしょうか。私にとってのいい宿とは、食事や部屋の豪華さだけではなく、洗面所の使いやすさや、ほんの片隅に置かれた旅人の心を和ませるような置物や、馴染みがなくても敷居の高さを感じさせないちょっとした小さなサービスのひとつひとつが反映されます。心づけというのは、あらかじめ出すものではなく、西洋のように、受けたサービスに対して出すものではないだろうかといつも思ってしまいます。でもアメリカのチップも、サービスの如何に関わらずとりあえず出すという人もいて、複雑ですが。話がそれましたが、旅の醍醐味は人との出会いだと以前に書いたことがあるのですが、それはよい宿との出会いも含むものだなあと、この度あらためて感じたのでした。

00/04/02(日) ギロ体験
シナボンはイマイチだったので、今度はお薦めを。
会社の近くにあるモールに、小柄で朴訥そうなちょび髭のおじさんと彫りの深い美人の奥さんが切り盛りしている人気のギリシャ料理の店があります。二人で忙しい昼時をテキパキとさばいています。
写真はギロGyroというサンドイッチ。ピタPitaというパンで肉や野菜を巻いたもの。$4〜5ドルするので結構割高な感じがしますが、おいしいです。これ、何かに似てる、と思いました。
オーストラリアのシドニーで好んでよく食べていたレバニーズ(レバノンの)料理、ドネールケバブにそっくりなのです。筒状の塊肉をぐるぐる回転させながら焼き、ナイフでそぎ落とした肉片をピタに挟んでブリトー風に巻いたものでした。
似ているのも当然、ギロとドネールケバブは同じ物だったのです。この回転焼肉のことをギリシャではギロ、トルコや中東地域ではドネールケバブといいます。ケバブというのは、トルコ語で『焼肉料理』の意味なのだそうです。

ケバブKebabといえば、シシカバブshish kebabが串焼肉料理として有名ですが、これはギリシャではスブラキ(スブラが串を意味する)と言うようです。上記のお店のメニューにもありました。そういえば、串焼肉って世界中にあるなあ。
日本の焼き鳥、東南アジアのサテー、南米のシュラスコ、アメリカのバーベキューもそう?タレが醤油や塩やピーナッツソース、ヨーグルト、ステーキソースなど、各地の個性が出ていて面白いですね。
(ああ、でもやはり恋しいのは、日本の焼き鳥かも。「正肉、塩でお願いね。

 

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