きまま日記

'99年秋2(99/10/14〜99/11/12)

99/11/12(金) テニス観戦
Advanta Championshipという女子プロテニスのトーナメントが近所であるというので、前日インターネットでチケットを予約して準々決勝を見に行った。チケットは2階席で$18。シングルスの3試合とも偶然にも米vs.仏という形になった。順当にシード選手が勝ち抜いていったが、選手の個性がまちまちでとても面白い。
アメリカ人一番の期待のリンゼイ・ダベンポートは、あまり迫力は感じられなかった。長身からくりだすサーブは確かにすごいけれど、あまりフットワークがよくなく技もそれほどなさそう。調子が悪かったのかな?
同じく米国のヴィーナス・ウィリアムスは噂どおりの派手な髪型・服装で登場。ドレッドヘアに白い髪飾り、2,3年前に日本で流行った金太郎腹巻のような背中丸出しの青いコスチューム。あの細くてしなやかな体からよくもあんな剛速球がでるものだと感心する。第1セットは圧倒的な強さを見せていたが、第2セットはフランスのサンドリーヌ・テステュが好戦。タイ・ブレークにまで持ち込んだが、8-6でウィリアムスが辛勝。でもテステュ退場の時には、会場には健闘を称える大きな拍手が起こった。ウィリアムスはひょうひょうとしてくやしい表情を見せないが、内心はどうなのだろう?


Davenport(手前)vs.Halard-decugis

彼女がポイントをあげると、誰かが、American Dream!と叫んでいた。ゴルフやテニスやスケートなどのスポーツでは黒人選手がまだ少なく、活躍すると注目される。彼女はよくゴルフのタイガーウッズにたとえられることがあるらしい。マイノリティでも実力があれば栄光をつかめるぞ、優勝めざして頑張れよという意味の掛け声だったのだろうか?
最後のナタリー・トージア(仏)とリサ・レイモンド(米)の試合は一番テニスらしく美しかった。ダブルフォルトが一番少なかった試合ではないだろうか?特にトージアのショットは安定していてきれい。うまい。ベテランの技?

直接観戦は初体験。テレビカメラではよくわからない全体の雰囲気や選手の表情がわかって楽しめた。たとえば、第2試合の熱戦中携帯電話の音らしきピロピロという音がかすかに聞こえた。審判が電話の電源はお切りくださいとアナウンスすると、会場から賛同の拍手があったり。負けが続いた所で気分転換に選手がお茶目なしぐさで観客の笑いを誘い、その後みごとサービスエースを取り、会場全体からホーゥと感心のため息があったり。
スポーツ観戦は、どちらかに肩入れして見るとなお面白いね。どっちも頑張れじゃやっぱり熱がはいらない。とはいえ、応援する選手の相手がダブルフォルトしたときに拍手するのはいただけない。
明日の準決勝面白そうだなー。選手の個性がわかるとその組み合わせがどうなるのか、とても興味深い。果たして、優勝は第1シードのヒンギスか!?

99/11/9(火) フィラデルフィアロール
アメリカの和食レストランの続きです。アメリカの寿司というと、アボカドを巻いたカリフォルニアロールが有名ですが、他にもフィラデルフィアロールというものがあります。何が入ってるかと思うと、クリームチーズとスモークサーモンなのですね。その命名はクリームチーズの有名ブランド、PHILADELPHIAからでしょうか。私は元々チーズもサーモンも好きなので、味はなかなかでしたが、ある日本人に言わせると、『寿司にチーズなんて邪道だ!』。

ところで、ある日スーパーであの銀色に包まれたPHILADELPHIAクリームチーズの裏をひょいと見てみると、PA(ペンシルバニア州)ではなくて、IL(イリノイ州)産と書いてあったのですが、もともとペンシルバニアとは関係ないチーズなのでしょうか???

99/11/8(月) 味噌スープ
日本で居酒屋に行くと、まずはビールとお通し、そしてメインのおつまみ、最後にご飯ものと味噌汁、なんていう人も多いですよね。
アメリカの和食レストランでは、まずは味噌汁が単独で最初に運ばれてきます。白い蓮華を中に入れて。中身は、大抵ワカメと細かく切った豆腐。西洋の食事のスタイル、前菜、サラダとスープ、メイン料理、デザートという順にあわせると、味噌汁はスープにあたるわけなのですね。ご飯と一緒に頂きたいと思ってちびちび飲んでいると、もういらないのかと思ってさげられてしまうし、そのたびに「still working(まだ食べてます)」って言わなくちゃいけなくて、なんだか悲しい…。蓮華っていうのもなぁ…。西洋のマナーでは、お皿に直接口をつけてスープを飲んではいけないのでしょうね。お箸ではなく蓮華で飲んでいると、味噌汁ではなく本当に味噌スープっていうものを飲んでいる気になります。

99/11/2(火) 家庭崩壊を招いた私の秘密
とでも訳すのでしょうか。"My secret destroyed my family"というタイトルのテレビ番組をみかけて、つい見入ってしまいました(今日は初めてテレビが見れるようになったのです)。家庭の問題など個人的な悩みをテレビで公開するような番組が昨今日本でもはやっていますが、実は私は女性だったのです、と男性が告白する番組はさすがにまだ見ないように思います。3人の子供を持つごく普通の家庭の父親が、自分は生まれながらに女であったと気づき、女装して番組に登場します。父親の告白を聞いてどんな気持ち?と聞かれた11歳の少女が「普段のパパが大好きだった。元に戻って欲しい」と泣き出し、それを見た彼女(パパ)もさめざめと泣く。やらせではないだろうか?という疑念を持ちつつも、ついつい涙を誘われてしまいます。
自分があるべき本来の姿とは違った誤った姿で周囲に認識されるのはつらいことだと思う。でも何も子供を3人も作ったあとで、わざわざ公共の電波を使ってカミングアウトしなくたって、と思ってしまう。何のメリットがあるんだろう?私にはちょっと想像し難い。

99/11/1(月) ハロウィン・パレード
ニューヨークで人と待ち合わせをした10/31は、ハロウィンのパレードの日。TOMBOYにも来てくれているニューヨーク在住のひろゆきさんとそのお友達の皆でパレード見物に行きました。待ち合わせのワシントン・スクエアで座っていると、突然やってきて、私に向かってbzzz(って書く?スペルがわかんない)って言ってニヤニヤしながら去っていく人あり。なんなの?ヘンな人!って思ってたら、原因は私の帽子にあったのでした。さっき露店で買った蜂の帽子($10)かぶってること忘れてたよ。蜂の羽音を真似したんだね。
←蜂の帽子。触角の先にかわいい鈴がついてる。

6th Ave.で立ちんぼで待つこと2時間半、7時半頃にようやくパレードの先頭が見えてきました。アメリカ人も辛抱強い。皆おとなしく待っている。ところが、おとなしくないヤツが一匹。巨体の黒い体で無理やり人の間に割り込んで、寝そべっている、お行儀の悪い犬。激しく動くし、重たい体を足の上にのっけるし、よだれはだらだらだし、周囲は大迷惑。
おまわりさんが見かねて、飼い主に注意すると「かまわないだって。こっちはかまうわよ!ただでさえ混んでてスペースがないのに、足の踏み場がないんだから。遠慮しぃしぃつま先で少し蹴飛ばしてやった。せめてもの逆襲。


パレードが始まる前の公園にて。
この人が一番印象的だった

警官が更に、他の人の足の上に乗っかっているから犬を自分のそばにもどしなさい、と言ってくれたが、「噛まないわよ。怖くないのよ」だって。そういう問題じゃなぁい!まるで、怖がる方がおかしいわよ、と言わんばかりでした。
そして、パレードが始まると、突然excuse me!!と言いながら、ぐりぐりと割り込んできたギャル。前にいる警官に用があるのかと道をあけると、ただ単にパレードを見に前に出ただけ。おめー、なんちゅーひんしゅくもんだ。人を押しのけて前に出ようとするのを、私は体でブロック。場所のとりあいなら負けないよ、日本の電車のラッシュで何十年と鍛えてきた押しくらまんじゅう。場数が違うんだから!
右後ろの方でも一悶着。「こっちは何時間も前からここで待ってるんだから(割り込んでくるなよ)」「だって犬がうろうろして私の場所もないのよ!」

もーもーもーもー。皆自分勝手ねえ。きっとアメリカ人て、こういう狭い場所で共存するためのマナーっていうのに慣れていないのでしょう。おかげで足を踏ん張ったりにらみ返したりで、そちらに気を取られてパレードに専念できなかった。疲れたぁ。足がボー。でも雰囲気は十分楽しみました。今度は屋上の特等席からみたいなあ。

追記:ああ〜、文句ばっかりでパレードの感想がないね。パレードもちゃんと楽しめました。むふふの感想は、こちら

99/10/27(水) 収穫祭
この時期、『Oktober Fest オクトーバーフェスト』という言葉をよく耳にします。初めて見たのは、地ビール屋さんの『今日のお勧めビール』にあったもの。『収穫祭』っていう意味かな?季節モノなのかな?と思ってさっそく飲んでみました。ちょっと苦味のある色の濃いビールでした。
その後調べてみると、オクトーバーフェストは、ビールの名前だけでなく、ドイツのミュンヘンで毎年行われるビール祭のことと判明。そのお祭りにあわせて作られるビールのことをオクトーバーフェストビールというようです。
このお祭りは、1810年にバイエルン王国の王子ルートヴィッヒ一世の結婚を祝したのが起源ですが、その後も秋の収穫祭として定着し、今日では会期(10月の第一日曜日を最終日とした15日間)中に600万人以上もの観光客が訪れ、500万リットル以上のビールが消費されるビールの大祭典になっているとのこと。町じゅうが飲めや歌えの大騒ぎになるそうです。
そういえば、日本でもこの頃になると、スーパーのチラシに秋の収穫祭!なんて見出しでセールをやってますよね。

99/10/26(火) 秘密の道
ペンシルバニア州の秋も深まり、紅葉のピークを迎えています。週末は遠出して紅葉を見に行きましたが、家の近くにもちゃんときれいなところはあるんですよね。右の写真は最近見つけたお気に入りの場所で、ちょっと他の人には秘密にしておきたいようなひっそりと静かな道です。その道沿いに、『HIDDEN DRIVEWAY』と『BLIND DRIVEWAY』という看板が続けて立っていました。隠された道?どういう意味?まさか、私のように、あまりにきれいな景色なので、地図にも載せず秘密にしてますなんて意味じゃあないよね???と思っていたら…やっぱり違いました。同僚のアメリカ人に聞いてみたら大笑いされました。見通しの悪い道なので気をつけろ、という標識だったようです。
うねうねとつらなる丘の緑と赤や黄色の色づいた林、牧場の柵、黒い馬、丘の上の白い教会、十字架の並ぶ墓地…そんな景色がこの写真の左の方に広がっています。
99/10/25(月) ハロウィンの準備
9月初旬のLabor Dayのお休みが終わると、街はにわかに黒とオレンジのハロウィン(参照:ハロウィンとは?)色に彩どられます。そして10月に入ると、道路わきに大きなかぼちゃの列が並ぶのが目立ってきます。写真のお店(その名もPumpkin  World USA)では、大小さまざまのかぼちゃが$4〜$20くらいで売られていました。かぼちゃのパイを一から作る人もいるでしょうが、スーパーに行けば、ちゃんと裏ごししたかぼちゃペーストが売られているので、それを利用する人の方が多いでしょう。
今週末はいよいよハロウィン。同時にサマータイムの終りでもあります。気温もぐんと低くなってきたし、ハロウィンが終わるといよいよ冬支度という気分になります。
←ハロウィン用のオレオ・クッキーもある!
 

99/10/18(月) ローラとラスカルの故郷
飛行機に乗り遅れたりしてハプニングもいろいろあった(またもや!!)旅でしたが、ウィスコンシンの秋を楽しんできました。ローラ・インガルス・ワイルダーの『大草原の小さな家』は有名ですが、その前にインガルス一家が暮らしていたのはウィスコンシン州のぺピン(『大きな森の小さな家』で有名)、また、『あらいぐまラスカル』の舞台はウィスコンシン州のブレールスフォードだそうです。ということからも想像できるように、自然豊かな美しい所でした。紅葉のピークは少し逃してしまいましたが、それでも写真のようにきれいな木もたくさんありました。友人宅でカルピス劇場の『あらいぐまラスカル』のビデオを見て、驚きました。ウィスコンシンの自然をアニメーションの中で忠実に再現しているし、製作から20年以上たった現在でも十分に楽しめる作品ですね。ブレールスフォードってどこだろう?

99/10/14(木) ウィスコンシン州へ
週末は、長年の約束を果たしにウィスコンシン州へ。渡米してもう10年近くになる友人に会いに行くのです。一昨年、私がカリフォルニアに滞在している時にはそちらへ遊びに来てくれたので、今度はこちらが行く番。紅葉がちょうど見頃らしいので、お天気がよいといいなあ。で、そっちって一体何があるの?牛や馬や自然がいっぱい?アーミッシュの村がある?なんだ、それじゃペンシルバニア州の私の所とおんなじだね。
メールが返信されなかったり、電話がつながらなかったり、すれちがいだったり、チケットが取れなかったり、休みがとれそうもなかったりなどの障害を乗り越えてここまできたので、ちょっと盛り上がってます。再会したらアメリカ人のようにはぐはぐ(Hug:抱き合うこと)しちゃったりして…。
あ、そういえばちょうど一年前のきまま日記にも、再会したこと書いてありますね。一年ぶり。楽しみっ。

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