きまま日記

'99年冬(99/12/03〜00/01/13)

00/01/13(木) 初日の出の日
掲示板で、今ごろの日没っていつかな?って書いたところ、takuyaさんに教えて頂いたお天気ページ。ここは世界のお天気情報が見られてちょっと楽しいサイトでした。
つい先日、知人の”キムタク”君(て本人が言うのでそう書くけどさ)からこんなメールを頂いた後だったので、

初日の出(実はこれを見たことはないんだけど)というのは、どこでも元日の朝に見られるもの(もちろん天候次第)だと思っていたら、とんでもない誤りであることをつい最近知りました。
北極圏の街、アラスカの最北端バロー市では、初日の出がなんと1月23日だって。それも午後2時前後の30分程度とか。長い暗黒の世界から一条の光がさす時、バロー市の人達は我々と違った初日の出の感慨を持つのだろうかと。きっと待ち焦がれていた人に、ようやく会えるような。

フィラデルフィアの初日の出はどうでしょうか

早速アラスカのバローBarrow市を見てみました。すると、他の都市ではちゃんとあるSunrise、Sunset(日の出/日の入り)の時刻の欄がやっぱりこの都市にはないんですよ!ちょっと感動してしまいました。

因みに、正確に言えばバローの初日の出は、1/23 13:15で日没は14:04のようです。

だそうです。本当に1時間もないんですね。これは貴重な初日の出ですね。1/22と23日はもう一度このページを見て、ちゃんと欄が追加されているのを確かめてみよう。
”キムタク”君は他にもいろいろ博学で、面白いことをメールで教えてくれるので、今後も気まま日記ネタ提供者となってくれるのが楽しみ。

地球からすれば何十億年も繰り返している運動にすぎないのでしょうが、年の一番最初の太陽は特別なんですよね、やっぱり。
えーとじゃあ逆に南極の方はずっと太陽しずまないわけですね。日の出っていうのもないんだ。ですよね?何しろ地学いまいちだったもので…。
初日の出に特別な思いを寄せるのは日本人だけかと思いきや、元旦早朝からフィラデルフィア美術館(東を向いたちょっと高台に立っている)に行った知人の話によると、他にも何人かアメリカ人が初日の出を見にきていたそうです。残念ながらフィラデルフィアの元旦は霧の海で初日の出は拝めなかったそうなんですが。

00/01/10(月) 鏡開き
明日、1月11日は鏡開き。鏡餅を割って食べる日ですね。我が家でも昔はちゃんとお餅を丸く作って(上段はお椀で、下段は丼で固めていた)お供えしていましたが、今スーパーで売られている鏡餅は、プラスチックの丸い入れ物に、ビニルに個別包装されたお餅が入っているものが多いですね。そのうち『鏡開き』の『開く』は、プラスチックの蓋を開くの意味だと間違って覚えてしまう人がでてきそう。かくいう私も、鏡開きの由来を知りません。お祝いの席などで行われる樽酒の蓋割も、同じ鏡開きと言うのはどうして?と常々疑問に思っていたので調べてみました。
酒樽の蓋のことを鏡というそうです。新年のお供え餅を割って食べるのはその年の健康と幸せを祈って、酒樽の蓋を割ってお酒を飲むのはその仕事や門出の成就を願って、それぞれ行われる儀式なのだそうです。
日本古来のしきたりや文化は、形骸化していくとその意味を忘れてしまいがちなので、こういう機会に考えてみるのもいいかもしれませんね。明日はあんこもち作るかな。

00/01/08(土) Italian+California
フィラデルフィアからスクルキルSchuylkill川をさかのぼって少し西に行ったところに、アンティークやおしゃれなブティックの並ぶManayunkという町があります。マナユンクって読むんでしょうか?この名前は、Lenape族インディアンの言葉の"Manaiung"(飲みに行く場所という意味)が語源です。日本から来た友人との最後の晩餐に、ここManayunkのレストラン、Sonomaに行きました。Best of Phillysに表彰されたこともあるというシーザーズサラダを出すお店です。Sonomaというのは、カリフォルニア・ワイン産地の名前なのです。料理のコンセプトはカリフォルニア風のイタリアン、名づけてItalifornia、ワインはカリフォルニア・ワインを揃えています。料理もサービスもなかなか。土曜日の晩ということもあって客足が絶えません。給仕係は皆衣装を黒で統一し、きりっとして皆格好いい。お客もおしゃれな感じの人が多く、年齢層も幅広いようです。隣のブロックの角では、私達の食事の間中ずっとジャズを歌っているおじさんがいました。このおじさんもトレンチコートが似合うおしゃれな人。私達のテーブルの係となった給仕のエリザベスが注文を聞きながら、このおじさんに微笑みかけていたので、聞くと彼はfunny guyで、いつもそこで何時間も歌っているのだそうです。
一人ではなかなかレストラン探索もできないので、今回友人が来たのを機会にあれこれおいしいお店を発見しました。それがあまりに如実にお腹まわりに現れるのが悲しい…。あしたからまた節食せねば。

Sonoma tel 215-483-9400  4411 Main St. Manayunk, PA (予約は6名以上から受け付け)

99/12/31(金) フィラデルフィアの2000年カウントダウン
フィラデルフィアの2000年カウントダウンと花火を見てきました。あまり寒くもなくてよかったのですが、風がなくてせっかくの花火は煙の中でした。街のあちこちで盛り上がった若者が奇声をあげ、道行く人がHappy New Year!と挨拶を交わしていきます。路上駐車している車の上に乗ったり、看板をたたいたり、そこらじゅう大騒ぎ。でも、ずいぶんな人手だったのに、行きも帰りも渋滞もなくするする進めてしまったのは驚きでした。日本とは違うなあ。

写真と解説はこちら

99/12/27(月) 公民権運動の母
昨日紀伊国屋で買ってきた本『黒人の誇り・人間の誇り(ローザ・パークス自伝)』(サイマル出版)を読みふけっていました。
バスの座席が白人用と黒人用とに分かれていた時代、彼女は白人乗客へバスの席を譲ることを拒否し、逮捕されました。これがきっかけで、マルチン・ルーサー・キング牧師などが指導するバス・ボイコット運動が起こりました。そして60年代の公民権運動へと発展していくのです。ローザ・パークスは、公民権運動の母と呼ばれました。
先日、南部へドライブしたときに、この事件の起こったアラバマ州モンゴメリーに行ってみました。休日で殆ど人影がなく、町はひっそり静まりかえって、そんな事件があったことなどまるでうそのようでした。100年も昔のことではなく、44年前のことだというのが、なんだか信じられませんでした。

モンゴメリーの市庁舎とキング牧師が勤
めたデクスター・アベニュー浸礼派教会
私は彼女を、たまたま疲れていて席を立つのを拒否しただけで、ボイコット運動に巻き込まれてしまった気の毒な人なのだと思っていたのですが、それは全くの誤りでした。彼女は聡明で自分の立場をよく理解している人でした。

差別はどこにでもあるし、誰でもいつでも加害者になり得る立場にいます。だから、人種差別はいけない、と叫ぶ前に、私自身も身の回りのことをよく考えたいと思います。
「相手をよく知り、お互いの相違を最大に尊重し、そのうえで共通点を見出していく」ことが、人種問題の解決のカギであるとローザ・パークスは述べています。人種問題に限らず、全ての人間関係にあてはまることだと思います。まずは相手をよく知ること。知る努力をすること。難しいけれど大切なこと。

99/12/25(土) クリスマス・ドライブ
夕方から家の近所を少しドライブしてみたのですが、モールも家もどこもひっそりしています。教会でミサなどあるのかと思いましたが、人々が集まっている様子もありません。時間帯が違うのかな?
どこの家も窓にクリスマスリースや電気のろうそくを飾ったり、派手な電飾で家を飾ったりしているけれど、ある一画だけは何の飾りもなくひっそりとしているところがありました。アーミッシュ(Amish)の家かしら。アーミッシュとは、ガスや電気を使わない昔ながらの生活を守って生活しているキリスト教の一派です。アーミッシュがたくさん住むランカスターは、私の家からは2,30分程のところです。今日はアーミッシュの走らせている馬車をいつもより沢山みかけました。彼らの習慣では、25日は厳かにキリストの誕生を祝い、セカンド・クリスマスといわれる26日は、お互いのうちを訪問しあってクリスマスディナーを食べたりするそうなので
そのためのお出かけをしていたのかもしれません。


以前いたオフィスで、各国語で書かれた
メリークリスマスの寄せ書きを見つけました

99/12/19(日) バレーフォージ歴史公園
1777年12月19日。ジョージ・ワシントンは、英国軍が占領するフィラデルフィアからわずか30マイルほどのバレーフォージValley Forgeに陣を張った。ちょうど222年前の今日、独立戦争のさなかのことである。このバレーフォージは、ついに戦場となることはななかったが、アメリカ軍兵士が過酷な寒さと餓えと病気に耐え忍んだ場所として、米国史では割と有名な所なのである。国立の歴史公園(National Historical Park)に指定されている。

当時の様子を再現したビデオも、ビジターセンター隣の映写室で見ることができる。『八甲田山』よりははるかにマシ、でも確かに寒そう!ビジターセンターにはジョージ・ワシントンが宿営したというテントなどもガラス張りの展示室に飾られていた。
ついアメリカの歴史を勉強したくなって、子供向けの『...IF YOU LIVED in Colonial Times』という絵本を買った。植民地時代はね、こんな暮らしだったんだよ、という絵本。でもこれって日本だったら、『明治時代はね、…』『江戸時代はね、…』『戦国時代はね、…』『平安時代はね、…』…と続くわけで、一冊じゃ済まないぞ、中国なんかもっと大変だ。アメリカの子供って歴史の時間に覚えるものが少なくっていいよなあと思ってしまった。それとも、ヨーロッパ人の渡航前のアメリカ大陸の歴史もきちんと細かく習うのだろうか?
参考:Valley Forge National Historical Park(英語のサイト)


つわものどもが夢の跡

99/12/14(火) クリスマスの壺
前回の日記で書いた社会鍋、調べてみたらこれはアメリカではChristmas kettle(クリスマスの壺)と言うらしいです。私は日本独特のものだと思っていたのですが、元は米国生まれなのだそうです。今から約100年前、不景気で失業中のサンフランシスコの貧しい船員に、クリスマスのスープを給食しようと救世軍の牧師が考え出した募金方法がChristmas kettleでした。救世軍(The Salvation Army)とは、その名の通り、軍隊組織を模倣したシステムを取り入れた英国に本営を置く国際的なキリスト教団体です。数年後にその方法が新聞で紹介され、世界各地でクリスマスの前になると赤い三脚につるされた壺が街頭募金に活躍するようになったというわけです。
今や日本では『社会鍋』の言葉も、俳句の季語です。

右の写真の前には、2人の老婦人が鈴を鳴らしていたのですが、(今きちんとした身なりをしていないから)私達は撮らないでと言うので鍋だけ撮りました。この方たちにも軍隊の階級があるのでしょうか。

99/12/11(土) 師走の風景
昨日のじめじめした雨もあがり、今日はスコーンと抜けたような空。よく晴れた穏やかな冬の日だった。こんな日に家の中にくすぶってちゃもったいないと、午後から外出して少し歩いてみた。風はやはり冷たい!でも、背中にあたる太陽のぬくもりが暖かい。
公園の立ち木の幹にゴムの覆いがらせん状に巻かれている。あれは寒さ対策なのかな?日本だとわらで幹を巻くよね。小動物がめっきり少なくなった。秋は小鳥やリスがあんなに忙しく動き回っていたのに。冬の間はどこかでじっとしているんだろうか?枯れ葉をかさかさ踏む音がして振り返ると、林の中に鹿が消えていくところだった。
こんなにお天気がいいのに、この公園には人が少ない。公園が広すぎるのか。

モールに行くと、駐車場はいっぱい。人はこっちにいた。スーパーの前でシャンシャン鈴の音がする。サンタの赤い帽子をかぶった人達が鈴を鳴らしている。募金活動みたいだった。社会鍋っていうやつか。年末にやるのはどこも同じなのかな。別のスーパーの前には、クリスマスツリー用のもみの木が積まれている。これってこの一ヶ月だけのために切られちゃったのね。なんだかかわいそう。でもよく考えてみると、お正月の松飾りだってお正月のために切られて売られてるわけだ。松飾り買うときは何にも思わなかったな。
トイザラスの中を見て周る。カートにおもちゃの大きな箱をいくつも乗せている人々。自分の家だけの買い物ではないのね。そんなカートがレジの前にいくつも行列を作っている。今日買うのはあきらめよう。外に出ると日はとっぷりくれていた。晴れ渡った空に星がきらきらしている。


高速道路の出口でなぜか
立ち往生していたクラシックな
車と人

99/12/7(火) ペンシルバニア州のお酒事情
おととい掲示板に居酒屋のこと書いてたけど、たまたま昨日は数ヶ月ぶりに居酒屋に行くことになりました。といっても、お酒のない店です。ペンシルバニア州では、酒類販売のライセンスのないレストランがあり(特に和食レストランは多い)、その代わり客が好きな飲み物を持ち込めるようになっています。栓抜きやコップは貸してくれます。オーストラリアやニュージーランドでは一般的なBYO(Bring Your Own)方式と同じです。これ、経済的でとてもいいと思うのですが、オーストラリアなどに比べて不便な点が2つ。1つは、その店がBYOであることが外からはわからないこと。もう1つは、酒屋さんが店の近くにあまりないこと。
スーパーで気軽に酒類を買えるような他州に比べ、ペンシルバニア州での酒類の購入は少し面倒です。まず、お酒の種類によって店が違う。ワイン、ウィスキー系はWINE&SPIRITSと書かれた酒屋で、ビールはBEER&SODAと書かれた酒屋で。日曜日はどちらも閉店。特にBEER&SPIRITSの酒屋は店舗が少ない上、目立たない場所にあって見つけにくい。モールの裏とか表通りから少し奥まった場所にひっそりと隠れるようにある。なんだかビールを買いに行くのが悪いことをしているような気にさえなります。そんなわけで、酒屋に行くと、滅多にない機会だからとついついまとめ買いをしてしまいます。
戸外でおおっぴらにお酒が飲めないのももちろん他州と同じです。(私を含め)お酒に関してルーズな日本と見比べると、人々はまじめでつつましやかに暮らしているという印象を受けます。これは、クエーカー教徒が多く上陸した場所であるという歴史的な影響があるのかしら?

話がそれましたが、そんなわけでバドワイザー1カートンを持ち込んで和食レストランに行きました。アピタイザー(前菜)を皆でつついてお酒を飲むという居酒屋スタイルは、米国ではbrewery以外ではあまり見ないので、レストランでこんなことをするのも日本人だけかしらと思っていたら、隣のテーブルにいたアメリカ人男性3名は、てんぷらをサカナに、持ち込みのコロナビールを飲んでいました。なんだあ、アメリカ人だって同じじゃーん。

99/12/6(月) 結婚式さまざま
プロ野球にはあまり興味がないのですが、イチロー選手は、どんな人と結婚するのだろうと以前から興味がありました。その彼が結婚!周囲を騒がせないように、騒がれないようにと親しい人のみで国外で行った挙式のやり方も、お相手となった方も、誠実な彼の選択らしく、すがすがしく感じました。お幸せに!
同じ4日に、ベルギーの皇太子も結婚式を挙げ、世界各国の王族がお祝いに参列したそうです。ベネルクス三国旅行記にも書いたのですが、ベルギーは国内で数種の言語が使われる国。この結婚式の誓いの言葉も、新婦は南部で使われるフランス語方言のワロン語で「ウィ」、新郎は北部で使われるオランダ語方言のフラマン語と東部で使われるドイツ語で「ヤー」と答えたそうなのです。面白いですね。日常生活では何語を使うのかしら?

99/12/3(金) 働きすぎるアメリカ人
Thanksgivingの休み明けのはずなのに、オフィスはまだなんとなく閑散としてます。12/13までお休み!なんて張り紙も。この人はまたクリスマスに休むのかな。そうすると12月は殆どお休み。ホリデーシーズンて言うのもうなずけてしまう。米国は日本に比べて祝日がぐっと少ないけど、皆こうやってまとめて休みとってるもんね。『働きに来ている』出張者がおおっぴらに休めるのは公休である祝日だけ。長期休暇なんてとれません。だから、Thanksgivingとかクリスマス休暇が本当にもらえるのかどうか、私にはとても気になるところなんです。

ところで、先日CNNニュースで『働きすぎるアメリカ人』と言ってるのを聞きました。年間労働時間は、米国民は日本人を抜いて世界一なんだそうです。細かい数字は忘れたけれど、

  1位 アメリカ人      19??時間
  2位 日本人          18??時間
  3位 ヨーロッパ人   16??時間

ずいぶんおおまかな分類だけど、2位にやはり日本人がはいってくるのかぁ。アジア人じゃなくて日本人としたところが味噌ですね。ワーカホリックと言われていた日本人よりもアメリカ人は働いている!ということですね。

でも、この数字にはちょっと『?』。本当にちゃんと測った時間?日本人はサービス残業してる人もいるしね。アメリカじゃ金曜日の午後なんて皆殆どいないじゃないか。あれってちゃんと来てることになってるの?日本は今不況だから残業しないのかな?残業しても時間をつけられないのかな?

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