アルゼンチン

初マテ茶

Fernandezの町を出て、ひたすらまっすぐな道を南下する。町はどこも、高速道路からちょっと奥まったところにあるので、気軽にさっと休憩に寄れる感じではない。

とにかく早くブエノスアイレスへ。
気持ちが急いている。
町まで○kmとあると、面倒でつい素通りしてしまう。

お昼時間になったので、ひとまず立ち寄ってみたのは、今となってはその名前を覚えていないのだけれど、多分Ceresという町。右のような軽いサンドイッチ。ワインを頼んだら、おつまみのチーズやスナックがでてきて、これがおいしいのでそれでおなか一杯になる。

この町はやたらと静かできれい。人が殆どいないが、中央の公園はきれいに整備されている。春の花が咲き誇っている。

町の角にあった建物もピンクでかわいらしい。

公園を歩いていると、女の子がやってきて、よかったらお話しませんか?と、はにかみながら言う(言ったと思う。スペイン語なのでよくわからない)。彼女の後ろには、小さな子供を連れたお母さんらしき人とその友達数人の若い女性たち。
東洋人が珍しいとは思っても、なかなか声までかけてくれることはなくて、嬉しくなる。何を話したんだっけな?スペイン語と日本語でおしゃべりした。皆シャイだけれど、誠実な感じの、フレンドリーな(まさにアミーゴ)人たち。

マテ茶をはじめて御馳走になった。先に茶こしがついた金属のストローで飲む。女性用だから?ちょっと甘い味がした。

 

コラム:マテ茶

マテ茶とは、日本人にとっての緑茶のように、アルゼンチンの人々に広く愛飲されているお茶のこと。アルゼンチンが発祥であるが、今では広く南米でも飲まれている。
マテ茶には、鉄分・カルシウム・ビタミンC・食物繊維などが含まれており、食欲・消化促進、滋養、疲労回復、ビタミン補給の効用があると言われている。

原料となるマテの木は亜熱帯地方に生息し、アルゼンチン北部はマテ栽培には最適の土地である。

ひょうたん(マテとはインディオの言葉でひょうたんの意味)型のマテ壺に、ボンビージャ(先に茶こしのついた金属製のストロー)を入れて飲むのが一般的。他に、紅茶のようにポットにお茶葉を入れて飲んだり、ティーバッグでも飲むことができる。

 

しばしおしゃべりの後、彼女らと別れて、インターネットカフェに立ち寄った。この町に来る前に、電話局を見つけて、一番頼りになりそうなブエノスアイレスの日本領事館に電話してみたのだが、特に有用な情報もアドバイスも得られなかったのだ。旅行会社に連絡してください、の一言で終り。そりゃ、個人旅行は全責任を自分で負うリスクがあるってことはわかってるさ、でも地方で頼る人も通信手段ももたずに不安でいる旅人に、そんな突き放した言い方しなくたっていいじゃないかぁ。めそめそ。

インターネットで日本語ニュースを読んで、テロ事件の詳細をはじめて知った。
ニューヨークへのフライトは全便停止しているらしい。私たちのチケットは、あさって15日にブエノスアイレスからアトランタ経由で16日にマンハッタン隣のニューアーク空港へ入り、その3日後にニューヨークのJFK空港から成田へ飛び立つ予定だった。
デルタ航空のWebサイトを開くと、詳細はローカルの事務所に問い合わせるようにと電話番号が書いてあるだけで、スケジュールの確認はできなかった。

インターネットにアクセスすると、さらにショックなメールが届いていた。旅先にいるとは知らずに知らせてくれた病院スタッフからの友人の訃報だった。
旅行から帰ったらゆっくり訪ねようと思って、お見舞いは後回しにしていたのだった。どうしてそのまま旅に出てきてしまったんだろう、私。

今は、後悔にひたっている暇はない。今日の宿を探さなければいけない。国際電話で日本の仲間に訃報を伝えなければならない。米国へのフライトが飛ばない場合の帰国ルートの再検討をしなければならない。

 

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<このページの最終更新日:06/03/06 >