アルゼンチン

アルゼンチンのマドンナ

ブエノスアイレスで一番賑やかと言われるフロリダ通りCalle Florida(カジェ・フロリダ)。9月は春先なので、冬物売り尽くしセールみたいなのをやっていた。私も、本当に安いのか物が確かなのかよくわからないまま、革のジャケットを購入。いろいろなものがあって、見ていて飽きない。

古紙屋さんというのか、古本やポスターを売っている店があったので入ってみた。『アルプスの少女ハイジ』のポスターを発見。ハイジって人気なの?ハイジがあるなら、マルコもありそうだが、見つからない。そもそも、この国が舞台となった日本の人気アニメをアルゼンチンの人たちは知っているのだろうか?

壁一面に貼られていた肖像画は、チェ・ゲバラ(Guevara Lynch, Ernesto Che 1928-67 キューバの革命指導者。ロサリオ出身のアルゼンチン人)とエヴィータ(Maria Eva Duarte de Peron 1919-1952 不遇な生い立ちからアルゼンチン大統領夫人となり、聖母的存在として一時大人気を集めた伝説的な女性)。
国内での評価がどうかわからないが、世界的に有名なアルゼンチン人といえば、この二人が挙げられるだろう。
マドンナ主演の映画エヴィータ(1996年米国 アラン・パーカー監督)では、チェ・ゲバラが物語の語り手として登場していた。

フロリダ通りを通り抜け、地下鉄Subte(スブテ)D線でレコレータ地区へ行ってみる。エヴィータのお墓があるところだ。
ブレてしまったが、右は地下鉄車両内の様子。東京に地下鉄を作るときに、ブエノスアイレスの地下鉄を視察に来たというのは有名な話らしい。そのため、日本の地下鉄車両のレール幅はブエノスアイレスのものと同じだそうだ。現在ブエノスアイレスのB線には、丸の内線の赤い車両が走っているとのこと。

Calloで降りてレコレータ墓地へ向かう。墓地といっても、通常の十字架や墓石ではなく、石造りのりっぱで頑丈な納骨堂が並んでいる。

著名な人々がこの墓地に眠っているらしいが、とりあえず私には、エヴィータしかわからない。
まっすぐエヴィータのお墓へ向かう。もっと人だかりがあるかと思ったが、私のいた数分の間に数人の人が来るぐらいで、私のように写真を撮っている人はいなかった。

 

そういえば、米国入国便ばかり気にしていたが、肝心の帰国便の確認をしていないことを思い出し、インターネットカフェに寄ってみた。
DL25便 JFK空港発成田行きの便は、キャンセルされている。
ニューアークまで飛ぶのがわかって安堵したものの、その先帰れないのではしょうがない。たとえ米国入りしても、再度テロが発生して巻き込まれるという可能性も低くはない。ブエノスアイレスに留まって、ヨーロッパ経由などの別ルートを開拓した方がよいのか、米国行きが再開されたようにこの先ステータスの変わる可能性を信じてとりあえず米国入りした方がよいのか、迷うところ。
しかし、英語があまり通じないブエノスアイレスに留まるのは不安だったので、とにかくニューヨークへ飛ぶことに決めた。

レコレータ地区は、墓地だけでなく、住宅街も高級。立ち並ぶお店も、ちょっとしゃれたブティックや小奇麗なレストランが多い。東京で言えば田園調布といったところか?カフェで休憩してみたかったが、そろそろ集合時間が迫っている。

ホテルまでは地下鉄も一本では行けない。市内を抜群の速さで確実に連れて行ってくれるというタクシーに乗ることにした。
もちろん日本のように自動ドアではない。でも、座席は後ろでいいのかしら?ちょうどいいチップがなかったらどうしよう?とドキドキ。

ホテルへ行くには、世界一広いと言われる大通り、7月9日通りを横切らなければならないが、そのちょっと手前から大渋滞になって一歩も動かなくなってしまった。交通規制があるらしい。ここでいいです、と途中で降ろしてもらった。

なんと、7月9日通りでは、一部通行止めして、テロ事件の追悼式が行われていたのだった。何千何万という人が集まり、バスや自動車に乗ってきた団体もあり、何かお祭り騒ぎのようだ。

とりあえずはホテルへ急ぐ。相棒がなかなか帰ってこないのでいらいらしていた。この分では、空港への道も渋滞しているのではないか?せっかく飛行機が飛ぶのに、乗り遅れたなんてしゃれにならない。

待っている間、お世話になった受付の男性とおしゃべり。最初に来たときに、わざわざ部屋をいくつか見せてくれたり、飴をくれたり、いろいろ教えてくれたり、荷物を快く置かせてもらったり、何かと親切にしてもらったのだ。これから日本人のお客さんを呼びたいのか、日本語を教えてくれという。ちゃんと宣伝しとくよ。繁盛するといいね。

Astoria Hotel
Av. de Mayo 916  tel/fax: (54-11) 4334-9061 Rotativas Buenos Aires
twin 50$(約\6000円) トイレ・シャワー・バス、テレビ・電話・冷蔵庫つき。
7月9日通りから5月通りへ曲がるとすぐ右手。観光にはぴったり。受け付けは親切。両替OK、クレジットカードOK。2つ星。建物は古いが部屋はちゃんとリフォームされていて美しい。水回りはどこよりきれいだった。

相棒が戻り、急いで空港へ。案の定7月9日通りには渋滞で出られない。近くでは接触事故などが起きて大騒ぎ。予定通り空港に着かないのではないかと冷や冷やしたが、渋滞は7月9日通り周辺のみで、高速道路にのればすいすいだった。

肝心のフライトは遅れ気味。不安なまま列に並ぶ。なんとか飛ぶようだ。よかった。

 

コラム:インカのバラ

町のみやげ物屋や空港のデューティ・フリー・ショップで、写真のようなきれいなピンク色の石をみかけた。
正式名称はロードクロサイト、通称インカローズ(Rosa del Inca:インカのバラという意味)と呼ばれる高価な天然石だ。ピンク色に白の縞が入っている。ピンクの色が濃くて縞のない方が高価なんだそうだ。

相棒が買う気を見せたので、店の人があれこれ売り文句を述べ立てるのを横で聞いていた。
国内にある鉱山2つのうち、1つは閉山されてしまったので、もう残りはわずかで貴重な石だとのこと。本当だろうか?

帰国して調べてみると、ネット販売でもよく出てくる名前である。『情熱を呼び』『心の傷を癒し』『恋愛や幸福をもたらす』そうなので、一つくらい買っておけばよかったかも。

 

 

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<このページの最終更新日:06/03/06 >