オーストラリア
'88/2/1〜'88/4/3

第1章
−シドニーからブリスベンへ−

 

88/2/1月 晴 成田出発。初めての海外一人旅。
18:30出国手続き所に並ぶ。2人前の女性に検査官が厳しい。じゃぱゆきさんか!?後ろのカップルも不安そう。だけど一人で並ぶ私もかなり心細い。不安の塊。帰るときには、愛着を感じて涙するなんてあるのだろうか。今はとてもそんな気持ちになれない。
19:50離陸。窓から外を眺めると、オリオン座がだんだん横たわり、更に南下すると逆立ちした。南半球に移動しているのだなあと実感できる印象的な眺めだった。

88/2/2火 雨のち晴 シドニー到着,QLD州へ出発。不安でビクビクしている初日。
3時起床。おしぼりサービス、オレンジジュースに続いてこんな早くから朝食が配られた。これから明けゆく彼方の空は、ピンクとヒヤシンスブルーで幻想的。朝食後、検疫。スチュワーデスが両手にスプレーを持ち、万歳の格好で白い液体を噴霧しながら通路を歩く。

入国審査はすぐすんだ。南半球は季節が逆の夏。空港職員の制服は半袖、ネクタイに半ズボン、白いハイソックスで涼しそう。ひとまずトイレで貴重品を腹巻に入れて身につける。しかし、行く当てもなく、重たい荷物を抱え、途方にくれる。30分程空港ロビーに座り込み元気を取り戻してから、インフォメーションセンターで60セントのシドニーの地図を買い、黄色い車体のAirport Expressバスで市街へ向かった。地図を見ても居場所がわからないので、思いきって隣のビジネスマンに話しかけた。『すみませんが、今どこにいるか教えてもらえますか?』を頭の中で英作文し、それを頭の中で4度ほど繰り返して練習し、4度ほど口に出そうとして言えず、5度目でようやく声にする。親切なおじさんで、丁寧に教えてくれた。でも言ってることは半分しかわからなかった。"Town Hall station"をタウンホールスタイションと発音していたので、ああ本当に"A"を"アイ"と言うのか、と感動する。タウンホール前で降り、とにかく腹ペコなのでマクドナルドに入る。1度オーダーしたものの取り消し方がわからず、朝から大量に食べる羽目になる。山盛りのトレイを受け取り、歩き出したら、オレンジジュースを床に落としてしまった。すぐ店員が来て片付けてくれ、もう一つオレンジジュースをくれた。恥ずかしい…。

英語学校とホームステイの始まる2月8日までの1週間をどこでどう過ごすかが当面の問題。シドニーはこれから長いのだから、ビーチのきれいだというクイーンズランドQueensland州へ行くことにした。QLD(Queensland)州観光局へ行き、往復のバスと1泊目のホテルを予約。poor Englishでも親切にわかりやすく応対してくれて、安心する。オフィスの閉まる時間まで荷物を預かってもらい、身軽になって夜行バスの出発まで1日シドニーの街を歩き回ることにする。まずは絵葉書を買ってMLC Centreの野外演芸場近くで休憩。スケボーや風船を使った芸をしている人がいる。周りを人々が囲む。多民族国家といってもやはり白人が圧倒的に多い。ところどころにアジア系の顔も。はだしで歩いている女性をみかけた。ギター弾く人、大声張り上げて人目を引いている人、昼食食べる人、さまざま。道を尋ねられて、とっさに言葉が出ず、ここの土地の者ではないと言おうとしたら、"I'm not here"になってしまい、赤面。

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これから降り立つシドニーの住宅地


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空港〜cityを結ぶAirport Express

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相手もそれでわかったらしい。通行人さえ見なければ、街の様子はあまり日本と違わないように思える。日本の街が西洋風でアルファベットが氾濫しているせいか。みやげ物屋が並ぶ通りには、日本語もあふれている。

ロイヤル ボタニック ガーデンRoyal Botanic Gardenへ入る。天気は良いし、芝生はきれいだし、暑くも寒くもなく、日本の初夏の雰囲気。風があって爽やか。気分は良いけど、やはりまだ心細さと不安に押しつぶされそうでビクビクしている。腰かけた芝生や芝生の上を歩くアリンコや鳩が日本と同じだと思ってはホッとしている。鳩のほかにカモメやカモメを長く伸ばして頭を黒くしたようなくちばしの長いWhite Ibisという鳥が徘徊している。

タクシーの頭に、ENGAGEDとかVACANTとあるのは面白い。日本のタクシーなら車内に赤い空車マークがあるけど、なるほど車外にあるほうが見やすいもんね。街角のごみ箱には、"DO THE RIGHT THING"と書いてある。『ゴミはゴミ箱に』っていうところかな。女性のスカートはフリルの段重ねが流行なのかしら。きちっとスーツ着たサラリーマン風の男性が、髪の毛後ろ少しだけ伸ばしてゴムで結んでいる。なんだかミスマッチでおかしい。でも似合ってる。

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タクシーの頭

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フリルスカート

ボタニック・ガーデンを出て、オペラハウスを遠くから眺めたり、大道芸人で賑やかなサーキュラー キーCircular quayを歩いたり。ANAのオフィスを見つけて思わず中まで入ってしまい、航空券のことについて話をしたり。日本語でなんだか安心する。
ハイドパークで芝生に座りこみ、休憩。名古屋ガーデンという名の看板を見つけた。姉妹都市なのかしら?それから、これから通うというEFL teachingラボの学校の場所を確かめに行った。周りにおいしそうなパン屋、ケーキ屋さんがあって、おいしいお昼が食べられそうと期待する。
クイーンズランド州観光局へ戻って荷物を受け取り、MLC centreでしばし休憩。もう16:30だというのに、陽はまだまだ高く、真昼という感じ。そういえば夏時間採用で本当より1時間進んでいるんだっけ。通勤帰りの人でマーチンプレイスはごった返している。セントラル駅前のスタンドでミルク(300ml 30セント)とクロワッサンなど買って向かいのBelmore Pk.で夕食。ヒゲの怪しげな男の人に話しかけられ、そのうちに連れのチャイニーズが寄ってきた。危険を感じ、ウソを並べ立てた。名前はノリコ・タナカ、シドニーにはもう来ない。男は、友達ができなかったら電話しろと言う。気をつけなくちゃ、と自戒。

街中で見る車は、ベンツ、BMW、HOLDEN(オーストラリアの国産車)、FORD、TOYOTA、MAZDA、HONDA。一番人気の日本車はMITSUBISHI。NISSANはあまり見ない。市内の路線バスは、ベンツ製。

セントラル駅前のEddy Ave.からSUNLINER社の夜行バスに乗り、ブリスベンBrisbaneへ向けて出発。デラックスなバスなのに、乗客は数人。2人席を独り占めできて飛行機よりは楽にできる。斜め前の若いカップルが10分とあけずにキスばかりしていて、あてられる。ドライバーの言うことは殆どわからない。

昼間、店で見たけど米も牛肉もとても安い。米は1kg1A$(100円弱)以下、肉も100gで100円以下。おいしそうなケーキも豊富で安いし、食生活はこれから楽しみ。

空はうろこ雲。空はどこも同じで嬉しい。夜行バスで見たビデオ"The boy who can fly"は面白かった。主役のMilly役のLucy Deakinsがかわいい。

88/2/3水 曇のち晴 QLD州ブリスベン到着
7:00頃バリナBallinaに停車、ガソリンスタンド横の食堂で朝食。10:00ブリスベンのトランジットセンター到着。巨大な建物で、バスの発着所やレストラン、シャワールームもある。外は小雨。住所を頼りに、重い荷物をひきずりながらAstor Motel(The Aster Motel:193 Wickham Terrace, Brisbane phone:3831-9522 s A$26.00)に辿りつく。受付の太ったおばさん、親切そうな人。二日ぶりに横になれて、天国のよう。少し休憩してから、あてもなく歩き出す。Astor MotelからWickham Terraceをさらに上ると、観測所になっている風車Wind Millが見えてくる。隣のアルバート公園はとても広大。気持ちが良い。途中でいつのまにか迷子。足は疲れのど渇き、ジュースを買った店で道を尋ねると、おばさんは、ここをまっすぐに行くのよと教えてくれた。外に出て休んでいると、たまたま店に来ていた卸売業のおじさんが、Gregory Terraceに行くならいいよ、って乗せてくれた。小型トラックの車内は乱雑で汚かったけど、無口でも親切なおじさんで、元気になった。Gregory Terraceの入り口で降ろしてもらった。Brisbane Grammar School、それに続くVictoria Parkを歩いて一休み。Grammar Schoolの男の子達がだらだらと走ってゆく。特に目的地もなく気ままに歩く。Gregory Tce.をずっといくとBouenhillsという所に出た。古そうな建物は大学だろうか?右手の方へ曲がり、チャイナタウンとして有名なthe Valleyを歩いてみる。中心となるDuncan St.はまだ新築したばかりのようで新しい。Valley Centre内のスーパーマーケットで、薄く切られたスイカとプラムを数個買った。レジで「ワイト、ワイト」としきりに言われ、「ワイト?」と困って聞き返すと、しょうがないわね、って感じで売り場のほうへ行き、はかりで重さを計ってきた。なんだー、weightかあ。頭の中には、weight=ウェイトとしか入っていないので、witeって単語あったかしらと首をひねってしまった。
さっそく公園に座ってスイカのお昼。上の方は熟れ過ぎでしなっていたけど、日本のと同じ味。なぜ1個単位で売ってないのか不思議。暑い中、油っぽい食事ばかりでうんざりしていたので、juicyなスイカがおいしい。
The Valleyをうろうろして、いいかげん疲れてきたので中心街の方へ行こうと歩いていると、Mr.Griffinという妙な人に出会い、しばらく一緒に歩いた。公務員だそうだ。オーストラリア人は、外国人に対して、アメリカ人のようにはゆっくりしゃべったりしないでしょう、と言う。確かにそうかも。彼に連れられて、市内のメインストリートを歩いたり、マックで夕食、パブでクイーンズランド州のxxxx(four x)ビールを飲んだり。一日中歩き疲れてモーテルへご帰還。手足を伸ばして寝られることの快感よ!

88/2/4木 晴 QLD州ブリスベン散策
学生の身では1泊A$26の贅沢を続けられないので、ユースホステルに移ることにした。前泊者が出る10時前までにつかなくちゃ、とまた重い荷物をひきずって、坂を登る。ベッドは空いていた。よかった。朝からの重労働でお腹がすく。しかし、オーストラリアには油っぽい食べ物、甘い飲み物しかなくて、閉口する。脱水症状か栄養不足か疲労のせいか、全身だるくてまいる。気候は良い。暑くても、風があるので気持ち良い。
まずは交通機関の情報をと、ブリスベン公共交通インフォメーションセンターThe Brisbane Public Transport Information Centreへ行くが、たいした情報は得られず。ならば高いところから街を見渡そうと、City Hallへ行くが改修工事で登れず。
Milk Barで作ってもらったサンドイッチをAussieのように道でパクつく。オーストラリアの街中にはサンドイッチ屋さんがたくさんあり、手軽でおいしいのでよく利用した。ショウケースに並んださまざまな具の中から、好きなものを選ぶだけ。調子にのってたくさん選ぶと、具がはみださんばかりにぎっしりと詰まり、口を大きく開けても届かない厚さになってしまう。

14:20発のバスに乗り、マウント・クーサMt.Coot-thaへ。ドライバーは30歳位の美女。景観が素晴らしいとの事だけど、ただの展望台。次のバスが来るまで、1時間ほどいた。ゆきえちゃんという群馬の短大卒の女の子に会い、二人でアイスを食べたり、ボーっと景色を眺めたり。小型バスがやってきてどっと日本人観光客を吐き出し、10分でまたシューッと収容し、慌しく行ってしまった。新婚さんばかりみたいだ。
Cityに戻ってゆきえちゃんと別れ、今度はクイーンズランド大学Q'land Uniへ。広大。114haもあるそうだ。なーんにもない所なので、ひたすら勉強するにはいい環境かも。学内に湖があって噴水が水を噴き上げている。1910年創立で、オーストラリアでも由緒ある所らしい。中心の建物は、砂岩作りで美しい。Cityへ戻るバスを待っていたら、この時刻表はあってますかね、と若い男性が聞いてきた。今度はちゃんと"I am stranger here."と答えられた。すると彼も、"me,too."
Cityへ戻り、川沿いを歩く。薄暗い中に州議事堂がライトアップされてきれい。対岸には4月30日から始まるWorld Expo88の会場が見えた。
王立公園Botanic Gardenは、もっと散策してみたかったけど、暗くなってきたので通っただけ。でも、浮浪者などは全くみかけず。こんなムードのいい所に恋人達さえ見当たらない。

YHに戻ったが、同室者はまだ誰も帰ってきていない。10畳ほどの部屋に2段ベッドが3台。各室に共同の台所とシャワー・トイレがついている。Swedishのマリアが帰ってきたので、おしゃべり。New Zealandにいたときに、漫画家の萩岩睦美と一緒だったそうで、イラストを見せてくれた。そのうち皆帰ってきた。香港からのルイーザ、スイスとフィンランドからの二人、美人ぞろい。皆の英会話のスピードについていけず、無口になる。手紙を書こうと思ったが、ルイーザがおしゃべりで、マリアと3人で漢字の話、十二支の話、名前の話などをした。結婚後の女性の姓は、中国では変わらず、スウェーデンでは自分のか相手のか選択自由なのだそうだ。

88/2/5金 晴 QLD州 Noosa&Sunshine Coastツアー
BOOMERANG社のDay Tourに参加。Noosa&Sunshine Coastのビーチに行くという$25のツアー。9:15発のぎりぎり前に駆けこんで、参加できますか?と聞くと、モチロンと余裕顔。巨大なバスに乗り込むと、乗客は9人だけ。シドニーからという老婦人2人にアメリカ ミネソタ州からの母娘、メルボルンに長く住むという中年紳士に、シドニーから来た華奢な若い娘キャシー、それと南アフリカ出身でメルボルン在住のもの静かな女の子イングリッド。最後にもう一人の日本人で、英語が殆どダメというあけみさん。それぞれ単身で参加していた若いもの同士、キャシー、イングリッド、あけみさんと4人で一緒に行動していた。ドライバーはサングラスの良く似合う陽気でおしゃべりなおじさん。9人でとてもアットホームな感じで1日過ごした。アボリジニの横顔に見えるという岩の所で一時休止。道端の果物屋に寄ったけど特に買うものなし。キャシーはミニ・パイナップルを買ってキャッキャッと喜んでいた。コアラが木にいるってドライバーが言うのだけれど、ちっともわからず。
高地を走る。山々が見渡せて、前に座った老婦人の言ったように、Gorgeous。途中、ホイップクリームとイチゴジャムつきのマフィンとWhite teaのtea time。White teaとは、牛乳のいっぱい入ったミルクティーのこと。
お昼にSunshine Plantation着。ミニ電車で園内を回る。南洋植物など沢山ある。食堂でlunch。デザートに、Plantation Sundayを食べた。生クリームやアイスクリーム、フルーツが山盛りだけど、甘すぎもなくかといっておいしいーってほどでもなかった。パウパウpawpawという果物を買った。イングリッドに、どんな味?と聞くと、まあパパイヤみたいなもんだと言う。キャシーは集合時間を聞いていなくて、食べきれなかったデザートのサンデーをグラスごと車内に持ち込んでいた。
次はGinger factory。あまり面白くない。日本では、生姜は薬味に使うぐらいだけど、西洋の人はチョコ菓子にしたりクッキーにしたり、お菓子に良く使うらしい。
走っていると広いなーと実感する。山一つが牧草地。牛や馬や羊がぽつぽつと散在。ここらの産業は、バナナ、パイナップルのプランテーションか酪農といったところだろうか。
一番楽しみにしていたNoosa beachは30分の停車のみ。がっかり。てっきりここがメインかと思ったのに。きれいな海。キャシーはろくに観光もせず、おみやげばかり買いに走っている。最後にはちみつ工場のSuper Beeへ。入口にでっかいミツバチ坊やの看板がある。ガラスで隔てた所でおじさんが説明してたけど、アメリカ人のおばさんは、なまりがきつくて半分もわからなかったわ、と言っていた。
1日Sunshine Coastにいられると思ったのは間違いだったけど、Aussiesととても親しく話せてなかなか楽しい一日でした。

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Boomerang社のツアーパンフレット。

夕食はあけみさんと二人で、Pizza Hutへ。small sizeが直径30cmくらいで、二人とも満腹。泊まる先のないというあけみさんをYHへ案内。ルイーザはDream World(オーストラリア版ディズニーランドのような遊園地)がよかったからと皆にしきりに勧めていた。今夜はまた英国から来たというおばさんもいて、更にInternational。私ははがきを書きたいのだけれど、ルイーザがおしゃべり好きで離してくれない。山中湖や銀座、大阪の道頓堀など行ったそうだ。

88/2/6土 快晴 QLD州サンシャインコースト
早朝英国のおばさんとMariaは発っていった。MariaはGold Coastへ行き、東端のByron Bayへ向かう。ルイーザはサーファーズパラダイスへ。その後南下し、最後にパースに寄って3/19に香港へ帰るらしい。トランジットセンターまで一緒に行った。私のduty(YHで行う簡単な仕事)は台所の掃除。特に汚れてもいないので5分ほどで終わり。昨日出会ったあけみさんは、郊外のトゥーンバToowoombeへ行ってみるそうだ。朝食にパウパウpawpawを食べたが、苦くて臭くて我慢して半分食べたが、ギブアップ。
今日は暑くて泳ぐにはいいだろう。気候もこんなだから、住む人も大らかにならずにいられないのかもしれない。でも大づかみ、大ざっぱ過ぎる。ぼこんと壊れた車もそのまま使ってるし、料理の味も服装も柄も大ざっぱ。日本が細かすぎるのか。しかし、日本に比べれば街ははるかにきれい。皆、ゴミポイしないようだし、酔っ払いも吐く人もからむ人もみない。酔っ払い天国はやはり日本だけかも。
10:30発のSunshine Coast行きのバスに乗り、2時間かけてマルチドールMaroochydoreへ向かう。どうやら降りるところを間違えたらしく、降りてからうろうろしてしまった。Informationの案内板を見つけてお店に入り、地図をもらった。パン屋さんでsteak pieとapple strudelを買い、砂浜に座って昼食。Steak pieにはひき肉が、Apple strudelにはりんごがたっぷり詰まっていて、おいしい。海は広大!壮大!砂浜はどこまでもまったいら。長くまーっすぐのびている。週末だというのに、人がぽつぽつしかいない。シュワシュワーと寄せる波打ち際をちゃぷちゃぷ歩きながら、ヘッドホンステレオでサザンオールスターズを聴いている。うーん、さいこー。空は真っ青、筋になった雲が見えるが、快晴。真夏だ。日本は真冬の2月で厳寒なんだろうなあと思っても信じられない。MaroochydoreからMooloolabaまでおよそ5km歩いた。釣りしているおじさんと目が合い、"Hi!"と挨拶。皆のんびり楽しんでいる。水平線と海岸線があまりに平らでうっとりしてしまう。サーフィンしている子供達の鼻は、ピンクや黄色の日焼け止めでカラフル。
海岸線を気持ち良くお散歩し、最後の10分だけ少し波と戯れた。きっちり10分つかって急いでシャワールームへ。15:35のバスに乗るつもりだったのに、15:36にシャワールームを飛び出した。バスが走り去った形跡はない。まさかとっくに行っちゃったなんて事はないだろう、ここはオーストラリアで遅れることなど普通なんだからと自分に言い聞かせ、辛抱して待つこと15分。もうこれは、だめかも…と思い始めたところへやってきてホッとした。これに乗れないと、シドニー行きのバスに間に合わないのだった。
昨日と同じルートをまた往復しているのだけれど、やはりこの広大さは北海道どころではないというカンジ。周り見渡して山脈がないのだもの。日本ではどこでも必ずお目にかかる尾根というものが見当たらない。
最後によく利用したトランジットセンターのTop Choockで夕食。お皿に山盛りのグリンピースとじゃがいもとgravy sauceつきお肉。これで3$90cはうれしい。それにしても、豆豆豆…というグリンピースの量には圧倒される。
SUNLINERで夕暮れのブリスベーンを19:00出発。シドニー出発の頃よりずいぶん暗い。クイーンズランド州は夏時間じゃないから当然か。シドニー行きは混んでいる。隣は中国人らしい女性。体が小さくて助かった。でも2人席に横になれず、来るときよりつらい。

88/2/7日 曇時々雨 NSW州シドニーへ戻る
NSW(New South Wales)州時間10:30にGosfordの近くでバス乗り換え。故障があったらしい。1時間遅れの13:30にシドニーのCentral Eddy Ave.に到着。駅からホームステイ先に電話をする。オーストラリアでかける初めての電話で緊張する。Mr.&Mrs.Yuideは優しそう。それまでずっと気にしていたホームステイ先への不安は、夫妻に会った途端解消した。2歳半の末息子のJacobが泣き顔でお出迎え。親に習ったのか、「コニチワ」とかわいい。部屋に案内され、簡単に自己紹介をし、夫妻は私に根掘り葉掘りきくこともなく、必要なことを教えてくれた後は、好きに過ごしなさいと放任。それなら、周辺を知りたいからお散歩してきます、と外に出た。ビーチまで近いと聞いて歩き始めたが、遠そうなのでやめようとひき返したところ、声をかけられた。Tomという名のハンガリア人だそうだ。この人が、同宿のスイス人のTomなのかと思ったら、そうではないらしい。途中でにわか雨。雨宿りしたがやみそうもない。タクシーをつかまえて家まで戻った。

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