95/9/24日 天気:快晴のち晴時々曇
移動 | アデア→ロックオブキャシェル→キルケニー Kilkenny →アークロウ Arklow |
朝食 昼食 夕食 |
B&Bで。各種シリアル、トースト、目玉焼き、トマト、ベーコン、ソーセージ、オレンジジュース、紅茶 キルケニーのレストランで。白身魚のホワイトウィンソース野菜添え。 アークロウのレストランで。サバ、サケ、ブリーチーズ揚げ、サラダ、スープ、ワイン等 |
宿泊 | Pine Brook(アークロウのB&B)IR£15.00(ツイン。シャワー・トイレ・TV付) tel.0402-31527 address.Ticknock Close, Brigg's Lane, Arklow, CO. Wicklow |
午前中
『牧場の朝』の歌詞そのものの、すがすがしい朝を迎えた。心安らかに朝食をとる。庭のバラがきれい。
宿のおじさんにご挨拶をして、Rock
of Cashelへ。スージーが日本のアイルランド政府観光局でもらってきたパンフレットにあった、空にそびえたつような中世風のお城がどうしても見たかった。
Rock of Cashel(キャシェルの岩)は、アイルランド王と中世の司教の歴史的な住居であった。
遠くにお城が見えてきた所で一旦停車し、車から降りてほれぼれと眺めていた。とそこへ、向こうの方に停まっている大きな車から、女の子が私たちの方へ走ってくる。何の用だろう?「お母さんが病気なの、お金ちょうだい」。汚れた顔で汚れたオーバーオールを来ているが、栗色の巻毛で頬のぽっちゃりしたかわいい子だ。意志の強そうな瞳をしている。私達がきっぱり断ると、それ以上は何も言わず、私達の立ち去るのを無言のままむくれた顔で見送っていた。
事前に読みあさった本の中に、アイルランドをキャンピングカーで放浪するジプシーの話があったのを思い出した。地元住民からは疎まれ、放浪生活を続けていくのが近年では難しくなっているという。贅沢な暮らしは無理としても、物乞いをしないと暮らしていけないほどの国とは思えない。これまでずっと地方の小さな村を通ってきたが、どこも家のつくりは皆りっぱでカラフルで、農家にしてはきれいすぎると思っていた。都会でならまだわかるけど、こんな田舎で物乞いにあうなんて思ってもみず、二人とも少なからずショックを受けた。重たい気持ちがずんと残る。
Rock
of Cashel内では、アイルランドの歴史を上映。十字軍やクロムウェルや???世界史の記憶をものすごく奥から引っ張り出そうとするが、出てこない。アイルランドってそもそも世界史では目立ったところにいないんだもの。
あいかわらず風が強い。でもこの高台から見渡す景色は爽快。雲がいい。はるかかなたまでひつじ雲がのんびり漂っていく。
午後
キャシェルからR691を通ってB&Bのおじさんに勧められたキルケニー Kilkenny へ。細い道で、標識も殆どないため、交差点のたびに止まり、地図の地名と方向と距離を確かめながら進む。キルケニー城へ行くと、「たった今、最終のツアーが行ったとこ、また明日おいで」。ガーン!まだ16:00なのに。ガイドブックには17:00までとあったが、ツアーが1時間かかるらしい。明日は私達いないんです、もう日本に帰るんです、と訴えたのに聞く耳持たず。「姪が日本語を習ってるんだ」などとのんきに関係ない話を始める。レストランでゆったりしすぎた、スージー、ごめん。外は広々、芝生がきれい。仕方なく外だけ写真に収める。
宿探しが楽で、行きたい場所に時間を気にせず行けて、重い荷物を持たなくてもよくて、風雨寒暑をしのげるという車の旅をすっかり気に入ったスージーは、ダブリンで私と別れた後も車でまわろうかと考え始めた。でも、普段地元でもあまり乗っていないようだし、時速30km位で走っているというし、ちょっと心配。まあ、こんな田舎道なら大丈夫だろうから、まずは練習してみたら? ということで、ここから運転交代。 今日の宿は、『赤や黄色の花々が飾られたレストラン、シーフードのおいしいチャーミングなビーチタウン』という飾り文句につられて、アークロウ Arklow に決定。ところが、この20km程手前のGoreyで思わぬ事故。T字路に突き当たり、止まれの標識の前で、右を確認しようと右を向いた途端に、後ろから追突された。 ショックで気が動転。自分たちに怪我がないことをまず確認、言い合いで負けるまいと気を取り直して、車を降りた。ドキドキ。 |
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運転手は中年の女性。助手席に息子らしい若い男。こっちが口を開く前に、体に怪我は無しね、車もキズなしね、そうでしょ?大丈夫ね?確認したわね?と一方的にまくしたてられた。一応車にキズはないみたい。バンパーも不思議にへこんだ様子はない。一旦車にひきあげたが、待てよ。これはレンタカーだし、後遺症が出ても困る。スージーに車のナンバーを控えるようにお願いして、再度おばさんに立ち向かう。「念のため、住所と名前を書いて。」紙とボールペンを突き出して、抵抗するのを無理やり書かせた。汚くてとても読み取れない字。ムカムカ。それにしても、簡単に謝らないとは覚悟していたものの、悪びれた様子もなく終始攻撃的・威圧的な態度には腹がたった。非難する言葉なんて一言も言ってないのに。事故に遭うなんて2人とも初めて、事故そのものもそうだけど、加害者に誠意のない態度をとられたこと、そばで一部始終を見ていたくせに何も言ってくれなかった人達に大いに衝撃を受けてしまった。ショックでぼーっとして、頭が痛いのは事故のせいなのか、疲れてしまったせいなのかわからない。 |
気落ちしてアークロウに到着。期待した通りの景色は見られず、海が近いはずなのに、海岸線は見つからず、残念。夕食は、B&Bの部屋の案内にあった街のレストランへ。入り口は場末の居酒屋風でちょっと入りづらかったけど、2階は普通のレストランで、ろうそくの柔らかな灯と天井からさがるレトロな扇風機で雰囲気がよかった。ワインも頼んでゆったりと最後の晩餐を楽しむ。外に出ると12月初旬位の寒さ。奥歯を噛みしめる。キーッ!さむーい!でも、今夜も満天の星。カンドー。
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<このページの最終更新日:04/11/01>