四国(高知・愛媛) '91/6

突然思い立って四国へ旅立つ。二日間で高知から松山へ300kmのドライブ記。どしゃ降りの中、四万十川を横に見ながら足摺岬へ。快晴の下、陽の光にきらきら輝く瀬戸内海とみかん畑の間を進む。

91/6/15土 曇のち大雨

朝一番の高知行に乗る。早朝でも横羽線(横浜〜羽田間の高速道路)は相変わらずの渋滞。もうバスは使うまい!…と毎回思うのにね。離陸は案の定遅れたが、高知までは1時間半なのですぐ。少し遅れて9:00前に南国高知に到着。

レンタカーを借りる。HONDAの白いcity、オートマだ。HONDAは初めて。
道はわかりやすい。まずは高知市街へ。赤いはりまや橋を横目に眺めて高知駅前まで走った。四国inが土曜日の朝高知で、outが日曜日の午後に松山と決まっている。なんとかして高い乗り捨て料金(\11,500!!)を払わずに済む方法はないかと、駅で調査開始。車で一周し高知まで戻った後電車で高知から松山へとんぼ返りするのはどうか?高知から松山へは四国山地を越えて走る線路はない。海沿いにぐるっと回るしかなく、それはとんでもなく時間がかかる。バスは\3,600だけど3時間半かかる。やはりあきらめて乗り捨て料金を払うしかあるまい。
レンタカー会社でもらった地図ではいささか心もとなく、駅ビルで全国ロードマップを買った。都市の複雑な道路網はよくわからないが、大きな国道・県道を行く分には十分だ。日本全国が均一の縮尺で載っているので、\1,030にしてはとてもお買い得だった。
高知市内は、高知城の入口と坂本竜馬生誕の地をさらっと見て終わり。桂浜へ。

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純信・お馬の幕末駆け落ち物語に
橋は待ち合わせ場所として登場する

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晴れた日の桂浜(想像)。松林の丘には坂本竜馬の像が立つ


雨がぽつぽつ降り始める。四国では赤信号無視が常識なのか?赤でも皆スルスル行ってしまうので、後ろで待ってる車のプレッシャーに押されるように、私も恐る恐る無視してしまった。ウィンカーも出さないし飛ばすし、乱暴だなあ。
桂浜では、あんまりお腹が空いていたので、イカの炭火焼を買って食べた。風が強くてタレが飛び、ポロシャツにしみがついてしまった。暑いし、雨が降り出すし、イライラ。土佐闘犬センターはここだったのか(誰かにここのお土産をもらったことがある)。晴れていれば浜辺の風景もすがすがしかったかもしれないけれど、人がまばらで雲がどんよりで暗い雰囲気だった。

桂浜を出てしばらく走り道路沿いの小さな喫茶店でうどんを食べた。四国でうどんははずせないだろう。『海族』というから、海の幸豊富な大衆食堂かと期待すれば、どうやら暴走族のたまり場っぽい。髪の茶色い姿勢の悪いあんちゃんたちがゴロゴロしていた。うどんは、汁はおいしく、でも麺はまずかった。

雨がざーざー降る中、ひたすら走り続ける。足摺岬を目指していたが、途中で暗くなるだろうからと断念。明日Uターンして来ようっと。その代わり、今日泊まる予定の宿毛からは近いだろうと、柏島(沖ノ島に対峙する半島)の方へ向かったら、途中からどんどん人気のない山道になり、対向車も後続車もなくて(歩いている人はもちろんいない。いたらかえって恐い)、恐くなってやめた。夕方でどしゃ降りで女性一人という状況の中でこれ以上進んだら危険だ。

YHガイドブックにある宿毛YHへの地図はわかりにくく、県道4号線津島宿毛線を見つけるのに一苦労。たまたま、通行止の地図に描いてある津島宿毛道路を見つけた。迂回路を行き、更に進んだが、YHは見つからない。この道でいいんだよねと不安になり、誰かに聞こうと灯りのついた店に入ると、店番のおじさんはひっくり返ってがーがー寝ている。呼んでも起きる気配無し。参ったなあ。泥棒が入っても起きないよ、あれじゃ。YHに電話すると、まだ先だと言う。どしゃ降りで真っ暗だわ道は狭くなるわで心細くなりつつ、ようやく辿りついたのは20:00過ぎ。夕食を頼んでおいたので遅れたら悪いと焦っていたが、のんびりしたもので、あまりその心配はなかったみたい。普通の民家を改良したようなYH。同泊者は、壮年夫婦一組。やはり道がわからず、うろうろしていたそうだ。古いが、トイレや食堂など、不潔感はない。懐かしい雰囲気。疲れていて何もする元気が無く、すぐ寝てしまった。外は猛雨。

91/6/16日 快晴のち晴

うってかわった上天気!早めの朝食、7:00には出発した。津島宿毛線を北上する。足摺岬はあきらめ、犬の尻尾の佐田岬の方へ行くことにした。山道。気まぐれに途中広くなったりするけど、殆どは川沿いの細い道。2台ギリギリすれ違える程度。くねくねしていて飽きない。川面はキラキラしてるし、のどかで快晴で気分良し。景色も雰囲気もよい。山の中にぽつんぽつんとバス停があり、なぜこんな所に?と思うと、キャンプ場があったり、部落があったりする。通学路の標識が時折目に入るけど、一体どこの学校へどうやって通っているのだろう?少しひらけた平野になってくると、ああ人家が、村がある、文明がある、と実感してしまう。それでも、家の作りや街並み、看板や風景やなにもかもがのどかで懐かしく、まるでそっくり数十年前にタイプスリップしたようだった。

mikan.gif (2642 バイト) 1時間余の不思議な空間を抜け出、国道56号線に出た。このまま国道沿いに走ってもよかったが、海岸線をつたって行くことにした。宇和島湾沿いに走り、吉田町を通り、56号線には戻らずに378号線に曲がって明浜町へ向かった。山道ばかりで細いくねくね道がイヤというほど続く。車も人も殆ど通らない。海は優しい顔を見せるし、山の斜面にはミカン畑があって、とても和やかな気分でドライブを満喫した。瀬戸内(ここはまだ瀬戸内じゃないかな?)ってどうしてこう穏やかで郷愁を感じさせるのだろう。壷井栄の『母のない子と子のない母と』の島のイメージはこんな感じ。昨年の暮れに小豆島を旅した時は冬だったから、暖かいみかんやオリーブの島という期待が裏切られ、ひどく寒かった。

神奈川県を拡大したような、四国も右を向いた犬のように見える。その尻尾の付け根から先端の佐田岬までは広い近代的な道路が続いている。帰りのフライトの時間ぎりぎりなので、高速で飛ばして行った。途中パトカーが後ろからやってきてひやりとしたが、大丈夫だったみたい。

先端の方はアップダウンも曲折も激しく、オートマで良かったと思う。ツーリングのバイクが多い。車を駐車場に置き、たこ焼きを買って灯台まで山道を20分歩いた。雨上がりなのでヌルヌルしている。ハイヒールで歩く女性もいて、歩きづらそう。時間を気にしつつ汗を拭きながら黙々と歩き、先端に到着。瀬戸内海と太平洋が同時に見える岬だ。海岸に座って、たこ焼きのお昼。

松山目指してまたひたすら道を急ぐ。尻尾の付け根にある最後の山道、峠を越えれば後は海沿いのまっすぐな道。信号が殆どない。そういえば今回のドライブ、信号待ちが殆どない。アクセル踏みっぱなしハンドル切りっぱなし。湘南より全然きれいな海を眺めつつ、運転焼けして松山到着。

時間があれば道後温泉にでもゆっくりつかりたかったが、松山城、市庁舎、温泉前を車から眺めるだけでタイムリミットとなった。車を返して空港まで送ってもらい、スムースにチェックイン。待合室のテレビで、宇和島(愛媛県南西にある都市)であったシンポジウムに菅原文太やキャシー中島出演、と言っていたのを何気なく見ていたが、機内に向かうときにレストランの窓際でキャシー中島が食事をしているのが見えて、ちょっとびっくり。
帰りは窓際だった。夕暮れに瀬戸内海の島々が見えた。半年前行った小豆島も見えた。淡路島、明石、垂水はあの辺?神戸のポートタワーが見えるかしら?などと地図と見比べて飽きずに外を見ていた。富士山も見たかったが、名古屋辺りから雲のじゅうたんになり、たぶんあれが頂上かしらというのが見えた。

 

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<このページの最終更新日:99/02/25>