屋久島 '01/5

2日目 晴 白谷雲水峡・前半

明け方前から廊下がどやどやとうるさい。日帰り縄文杉登山ツアーの団体の出発だ。我々はゆったりと起きて、私は朝風呂へ。湯船からも宮之浦川が見えてとても気持ちよい。
9時、近所のスーパーで昼食用のパンや飲み物を買って、白谷雲水峡へ出発した。もっと低い所にあると思っていたのに、スタート地点の白谷広場までは、宮之浦の町から車で30分、ひたすら急な上りだった。

白谷雲水峡は、標高800m、面積424ヘクタール、ヤクスギなどの原生林を気軽に鑑賞できる森林レクリエーション地区として、昭和49年(1974年)に自然休養林に指定された。コースは、30分のひりゅうコース(1.7km)、60分の弥生杉コース(2km)、150分の原生林コース(4.8km)の3つのコースがある。また、辻峠を経由して他の登山路へもつながっている。

受付で\300を払い、説明を聞いて10:10スタート。うん、上天気、ハイキング日和。屋久島のメインは、この白谷雲水峡だったので、一日をここで過ごすつもりで、一番長い原生林コースへ。

しばらく、川沿いの雲水歩道を歩く。薄桃色のさくらつつじがきれい。5月が見頃とのことで期待してきたけれど、もう終わってしまったのか、所々しか見られなかった。川の水はとても澄んでいて、すがすがしい。

さつき吊り橋までは整備された歩きやすい道で、楽々コース。ここからは、しばし川にお別れ、苔に覆われて全面緑の原生林を歩く。
左の写真は、二代大杉。白谷雲水峡には、無数のヤクスギがあるが、特に大きかったり形に特徴のある杉には名前がつけられていて、それらを目標に巡って歩くのも楽しい。

つい昨日までは雨が降っていたので、足元はぬかるんでいる。そこここに水流ができているる。ふかふかの苔のはえた岩の上から、何本もの水の線が垂れている。

宮崎駿の映画『もののけ姫』の舞台になった森の中にいて、顔をあげれば、映画に出ていたコロコロ音を立てる木霊が、そこここにいそうな雰囲気がした。

苔に覆われたヤクスギの切り株や土埋木の形は、実に多彩で、何かに似ているなといろいろ想像するのも楽しい。


伏せをしているゾウさん。右手前に
長い鼻と2つの小さな目。


蜘蛛の足と思ったけど、こうして写真で
改めて見ると、カマキリにも見える

切り落とされたり、自然災害で倒れてしまったり、うっそうとした森の中まで太陽の光が差し込まなかったりして、杉はなかなかまっすぐ上には伸びずに、様々な方向に向かっている。その様に、ヤクスギの生命力の強さを感じる。ばっさりと切られても枯れずに、様々にその形を変えながらも幹を枝を根を伸ばして生きている。枯れたように見える木でさえも、ちゃんと生きている。二代、三代と子に受け継いで生きている。すごいと思う。


ロケットのような切り株

ついつい、足元ばかりを見て歩いてしまいがちだけれど、ふと見上げてみると、ヤクスギは地面だけでなく、空にも大きく手を広げていた。三本足杉(下の写真中)辺りで、他のパーティと一緒になった。女性数人とガイド役の男性一名。「三本足杉の3本目の足は、気根(きこん)なんだよ」。こっそり横に立って、なるほどふむふむとうなづく。
三本杉の次にあったのは、びびんこ杉。『びびんこ』とは、鹿児島弁で肩車の意味だとか。正面からはよくわからなかったので、わっせわっせと登って裏にまわってみた。なるほど、肩車しているね。
関係ないけど、『びびんこ杉』って言う度に、「ケイン・コスギ」を連想してしまう。2文字しか違わないのだもの。あ、「ケビン・コスナー」も似てるね。

びびんこ杉
この杉は切り株の上に発芽し、根を下ろした二代杉で樹齢は300年未満の若い杉です。平成11年に一般公募による名前募集で名づけられました。名づけの理由。親子が肩車(鹿児島弁”びびんこ”)をしているようなほのぼのした姿になぞられて命名。命名者:脇田武志 投じ屋久島町立岳南中学教諭)


鹿の角のような枝


三本足杉


びびんこ杉(裏から)

 

旅日記

1日目 鹿児島経由屋久島へ
2日目 白谷雲水峡・前半
白谷雲水峡・後半
3日目 ヤクスギランド
4日目 リバーカヤック
5日目 フルーツガーデン

 

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<このページの最終更新日:01/08/24 >