屋久島 '01/5

4日目 曇り リバーカヤック、西部林道

4日目の朝食の卵は、卵焼き。2日目は生卵、3日目は温泉卵だった。明日はなんだろう?目玉焼きかな?

午前中は安房川で川下りだ。9時に指定された場所にいくと、アウトドアー屋久島ガイドシステムの岩川さんと女性のスタッフが待っていた。
教えられるままに岩川さんについて、川を上っていった。このカヤックには初めから穴があいていて、カヤックに座るとお尻が濡れてしまう。操作は簡単で、初めてでも問題なく操ることができた。以前、2人乗りのカヤックを試したことがあるけれど、それよりも簡単。安房川の河口は幅広く、流れも緩やかなので、漕げば漕ぐだけすーと前に進んでいき、平地を自転車で走るように周りの景色が後ろに流れていく。気持ちよい。確かに、これは、舟からしか見ることのできない川べりの景色だ。具合よく太陽も隠れている。じりじりと日にさらされることもなく、気候もちょうどよい。

途中、中洲の島で休憩して、さらに上流へ。昨日、ヤクスギランドから降りてくるときに渡った赤い橋を下から眺める。
もっとずっと上流までいくのかと思ったら、だんだん浅瀬になって、これ以上はカヤックでは進めない所まで来てしまった。ここでUターン。
がさがさと音がするので、右手を見ると、森の中から猿が出てきた。一匹、二匹、三匹…ぞくぞくと森の中から現われては、川に面した斜面を上流に向かって歩いていく。群れで移動しているようだ。野生の猿がこんなにたくさん動いてるのって初めてみた。

あー。緑の中だなあ。静かだなあ。こういうの、いいなあ。…毎日は飽きるだろうけど。たまにだからいいのかもしれないなあ。2週間に1回だったら浸れる。

屋久島はリピータになる人が多いという。屋久島の自然に魅せられ、遠い場所から何度もやってくる人が多いらしい。

河口に戻ってきて、家や橋や車、いつもの現実の生活が見えてくると、つい今まで目にしていた緑の景色を忘れてしまっている。だめだめ、早すぎる、目に焼き付けておかなくては、と後ろを振り向いた。

お昼は、昨日は入れなかった平野の食堂へ。懐石料理のように、何品かを順番にもってきてくれて、料理の説明をしてくれる。右の写真は、カメノテ(フジツボの仲間)。確かに、亀の手みたい。
昼のメニューはこの一つだけ。裏には、広い庭園もあり、庭を眺めながらゆったり気分で食事をとれるのはよい。夜は予約が必要らしい。

茶屋ひらの  屋久町安房2617-3 (tel)09974-6-2816

屋久然料理=屋久島の自然料理(全15品 \2100)
はおらまのおひたし,つわのつくだに(きゃらぶきのよう),かめのて入り味噌汁,ごはん,とびうおの天婦羅,蓬ゼリー,かぼちゃとジャガイモのサラダ,ゴボウとぜんまいのキンピラ,…

屋久島特産品というポンカン、タンカンは、柑橘系の果物。収穫は冬なので、今はお目にかかれず。ならば、ジュースでも飲もうと、ぽん・たん館へ寄ってみた。ポンカン、タンカン以外にも、郷土銘菓、野菜、花、工芸品などを農産物加工品を直売している。

かから団子(よもぎでできた団子)よもぎと黒糖が入って体にいい \70
こずき団子(さつまいもでできた団子)中のあんがむらさきのサツマイモ。\100

途中、なんだかわいわいと賑やかなところがあったので、車を降りて見に行った。おっ、これは昨日見た千尋の滝のミニサイズ版ではないか。どうやら、公園の落成式の最中のよう。子供達は滝つぼのまわりでわいわいと遊び、大人もにこにこと乾杯している。偉い人のお話の後で、万歳三唱があって、居合わせた私達もついつい参加。すぐに町民じゃないとばれちゃったみたいで、酔ってご機嫌のおじさんに、あんたたちどこから来たの?また来てね、と話しかけられた。

近くに児童文学者、椋鳩十の碑があった。屋久島を題材とした『片耳の大鹿』は、代表的作品として有名らしい。

平内海中温泉は、1日2回、干潮の前後2時間のみ入浴が可能な温泉。ただし水着での入浴は不可。
駐車場で着替えていたのは、食堂で隣のテーブルだった男性グループ。気持ちよかったですよー、と今あがってきたところらしい。遠くからのぞいてみると、年配の男性がたくさんつかっている。入るのは無理でも、近くで見てみたかったけれど、あれじゃ近寄ることもできない。あきらめ。

大川(おおこ)の滝は、振り仰ぐと88m頭上の断崖から大量の水が流れ落ちて、非常にダイナミックだった。屋久島の中では最大規模だ。日本の滝100選にも入っている。

大川の滝から西、屋久島灯台までの約20kmが、西部林道。このうちの15kmが世界自然遺産地域に含まれ、自然のままの森林が続いている。この西部林道の部分がつい数年前に開通し、島を一周できるようになった。道路の周りはうっそうとした木々に囲まれて、昼でも太陽の光が遮られる緑の中だ。ここでは、あちこちで鹿の群れにであった。何気なしに道路を歩いていたりするので、気をつけなければならない。もっとも、それほど広くない道路で、見通しもわるいため、あまり飛ばすこともできないし、森の緑を見るにはのんびり走るのがちょうどよい。

西部林道の道幅拡大の計画が見送られた2年前の新聞記事(1999年2月17日 読売新聞)

西部林道 拡幅見送りへ「利便性より自然優先」
西部林道は、屋久島を周回する唯一の道路の一部で、延長は12.5キロ(上屋久島川原ー瀬切)。うち北側9.5キロが未改修区間となっている。平均幅員は4メートルしかなく、カーブや乗用の離合しにくい場所も多い。一帯は、世界遺産登録の決め手になった植物の垂直分布が、島でここだけ海岸まで続いており、ヤクザルやヤクシカの生息地を道路が分断している。 
「屋久島の道づくりは、世界遺産の屋久島の進む道づくり。利便性を重視した改変は屋久島の理念に合わない」などの意見が体勢を占め、不便でも自然を守る方向で一致。 

西部林道を通り抜け、再度永田浜へ。あれから亀は出たのだろうか?海がめ研究会の人によれば、昨日も他の場所に出ていたので、今夜ももしかして来るかもしれないという。

一旦宿に戻って一休みしたあと、夜の10時過ぎに永田浜に行ってみた。電灯もなく、真っ暗。これから少し離れた別の浜に行くという係の人に連れていってもらった。灯りのない浜を、亀がびっくりするといけないということで、懐中電灯もつけないで歩く。地面が見えなくて歩きづらい。他の浜で見張っている係員達と無線で連絡をとりあっていたが、亀の上陸する様子はない。しばらく、砂浜にねっころがって星を見ていた。誰かが夜光虫だと言うので、波打ち際に行くと、確かにぽつぽつ光っている。砂を足でぎゅーっと踏むとそこだけぴかーっと光る。うわー、面白い。夜光虫ってはじめて見た。以前、夜光虫とウミホタルについて、そういえば調べたことがあった。夜光虫とは、刺激を受けた一瞬だけチカッと光る単細胞生物。赤潮発生のニュースのときなどによく話題になる。赤潮とは生活排水などが原因で水が汚れ、プランクトンが大量発生して海産物に被害がでるもの。あれ?ってことはこの屋久島の浜が汚れているってこと?いや、そんなことはないだろう。こんなにきれいなのに。
何時間か待ってみたけど亀も現われないので、帰ることにした。車に戻ると蛍が飛んでいた。ふわー。一匹だけだけど。夜光虫も蛍も見たし、亀はまた今度だな。

 

旅日記

1日目 鹿児島経由屋久島へ
2日目 白谷雲水峡・前半
白谷雲水峡・後半
3日目 ヤクスギランド
4日目 リバーカヤック
5日目 フルーツガーデン

 

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<このページの最終更新日:01/08/24 >