マルタ/イタリア旅日記
5/5

5/5水 マルタ

今日はレンタカーで一日ドライブ。宿のMichaelは、他のレンタカー会社より安く斡旋するよと言っている。昨日Hertzで聞いたら一日15LMだった。Michaelは9LMでいいという。ホント?じゃあお願いするわ。
と言った後で、部屋に戻って大変なことに気がついた。免許証がナイのだ!国際免許証ではない、日本の本物の免許証が。邪魔になるからといつもの所から移したのを思い出した。家に置いてきちゃったんだ。わーどうしよう。国際免許証がなくてもなんとかなるかもしれないけど、ライセンスも何もない人には車は貸してもらえないだろう。
…と思ったらそうでもなかった。君は優良ドライバー?Yes。じゃあ信用するよ。でOKだった。これはどこでも通じるってワケじゃないかもしれない。運が良かったかも。多分Hertzじゃこうはいかないだろうな。

しばらくすると、Michaelのスカッシュ仲間という男性がやってきた。旅行代理店のオフィスに連れて行かれ契約書にサインして終り。このスカッシュ仲間も店の人ではなく、仲介業者のようだ。レンタカー代は確かに9LMだけど、ガソリン代が+5LMで合計14LM。これが安いのか高いのかはわからない。何しろこのジープ、見るからに古そうだし、ハンドルは斜めについてるし、エンジンの音はうるさいし、パワーステアリングではないし、車内はお世辞にもきれいとはいえない。もちろんエアコンはない。必要ないけど。

マニュアル車は久しぶりで、狭い道の坂道発進からのスタート。とてもとてもとても緊張して、いきなりエンスト3回。クラッチのタイミングがよくわからない。なんとか発進したはいいが現在地がわからない。とりあえず車の向いている方向へ車を走らせた。なんだか波瀾のスタートだなぁ。

西へ。右手にはきれいな海!お天気はいいし、最高の気分。
標識に従って進んでいるつもりなのに、思った方向にいけなくて、なんども町の中をぐるぐるしたり、緊張状態がずっと続く。特にブジッバBugibbaの町からは永遠に抜け出せないのではないかと思うほどだった。
Supermarketの看板を見つけた。一休みしようと入っていくと、なぜかリゾートホテルのプールサイドに辿りついた。長期滞在型リゾートホテル用の店だったらしい。ヨーロッパからバカンスで来てます、という感じの白人ばかりがプールで賑わっている。優雅な風景だ。

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きれいな海岸線。気持ちいい!


更に西進。隣りのゴゾGozo島へ渡るフェリー乗り場が見えるところまで行ってUターンした。時間があればGozoにも行ってみたいところ。今回はちょっと無理かな。
Golden Bayを見下ろす高台に出た。先に歩いていたさちこが叫んだ。「すごーいすごいすごいすごーい!!」崖の下に見える海はどこまでも澄んでいて、ため息のでるほどきれいな色をしていた。この青さは写真に撮っても残らないだろうと思い、目に焼きつけた。その青い真っ只中にぷかぷかと浮いている人がいる。気持ちよさそうだなーっ。ウォーターバイクで奇声を発して乱暴に走っている若者もいた。興奮して滅茶苦茶に走りまわっている。そのうちもんどりうって二人とも海に放り出された。無人のバイクはエンジンがかかったままなのでゆっくりと二人から離れて行く。二人は必死に泳いで追いかけている。高みの見物をしている私達は、がんばれー、と無責任な声援を送る。どうにかまたバイクを取り戻した二人は、今度はちょっと大人しくなった。
ここでもう空腹の限界。バス停の近くの食堂でピザとビールの昼食。おいしかった!

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今どこ走ってるの?地図見てもよくわからない

しばらく行くと、遺跡のマーク。ローマ風呂?とりあえず見てみようか?近所のおばあさんが休憩しているといった感じで腰かけている。私達が歩いていると後ろから、それはローマ風呂よ、こっちにもあるわよ、と叫んでる。ここの管理人なの?でも料金いくらとも書いてないし?おばあさんは後から来た人にも説明しようとしていた。私達はその人にあとをまかせてさっさと次へ立ち去った。後で知ったことだが、このおばあさんはやはりいくらかのチップを期待して座っていたのだ。やはりあげるべきだったのだろうか?
次に立ち寄ったスコルバ遺跡Skorba Templesには、人は誰もおらず、囲いがあって中にはいれなかった。何かの寺の跡なのだろうけれど、説明も何もないので、何年前のどんな遺跡なのかはわからなかった。後で調べると、紀元前4千年以上も前の遺跡らしい。日本では縄文時代?
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さえぎるものが何もない。白い建物の向こうは地中海。
小高い丘を登ると、イムディーナMdinaの入口があった。その昔、貴族や高僧が住む優美な都市だったのだが、後に新都市ヴァレッタに人が移り住み、オールド シティOld Cityと呼ばれるようになった町である。
メインゲートや大聖堂には細かい彫刻が施され、中世の街並みが続いている。主な通りには観光客が行き交い、賑やかな雰囲気があるが、通りを一つはずれた狭い路地に入ると、人影もなく無機質で静寂な街の雰囲気が漂う。展望台からは、のどかな田園風景が広がっていた。
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路地裏にマルタネコ発見。
そろそろと後をつけるさちこ
イムディーナからはまた道を迷い、行ったり来たりしながらようやく次のポイント、ハガール・キムHagar Qim遺跡へ。地図と実際の道とが一致しない。地図は当てにならないと、看板の矢印を辿って行った。

駐車場に人がいる。こっちだよと誘導するが、駐車料金をとるわけでもないらしい。遺跡の入口ではしっかり1LM(\315)とられた。ここで、中年夫婦に話しかけられた。「私達宿が一緒よ。」え?Penthouseの?まあ、偶然。観光客の行くところなんて、狭い島の中限られている。とはいえ、スリーマからは距離的には10km程度であるが、がたぼこの道を迷いながら辿りついた私達には、かなり島の果てまで来たような感覚があった。
有名な遺跡らしい、としか知らずに来たハガール・キム神殿。実は、紀元前数千年前のものらしい。炭素年代法による測定では、この巨石神殿はイギリスのストーンサークルやエジプトのピラミッドよりも古い年代のものだという。世界中の巨石文化同様、そんな大昔にどうやって1個数トンもある石を並べて積み上げたのかは謎のままである。

帰り際、駐車場のおじさんが媚びた笑いを浮かべて近づいてきた。腑に落ちない。駐車場代とも何も書いていないものを渡すのが習慣なのだろうか?

←ハガール・キム遺跡は迷路みたいで面白かった。

最後の目的地、ブルーグロットBlue Grottoへ。断崖の下に波が削ってできた洞窟を巡るボートが出ている。日本でもよくある釜巡りの遊覧船というところだ。30分弱で2.5LM。
既に夕刻だったが、光にすけて海が青く光るのが見えた。午前中なら、ナポリの『青の洞窟』と似たようなあたり一面のマリンブルーが見られるらしい。
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澄んだ水の下には、もうすぐ底が見えている
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狭い洞窟の中で絶妙の舵さばきを見せる船頭さん
船着場は少し深くなっているらしく、はだかんぼの小学生達が飛び込んでは陸にあがり、楽しそうに遊んでいた。小学生とはいえ、かなりな巨体が飛びこむので、トドみたいだった。
喉が乾いた。食堂でさちこはビール、運転手の私はジュース。驚いたことに、コップ一杯のさちこのビールと同じ位の量のジュースが同じ50セント(\150)!なんだか損した気分。

空港の下をくぐり、ホテル探しにふらふらとマルサスカーラMarsaskalaへ寄ったりして、結局島を一周し、無事にスリーマに到着。宿のそばの道沿いはもう既に駐車している車ですきまがない。空いている場所をようやく探し、ほっと一息。なかなかエキサイティングなドライブだった。運転手よりも、横であてにならない地図と格闘していたさちこの方が疲れたかもしれない。お疲れ様!
ヴァレッタ〜スリーマ〜サンジュリアンの都市部をつなぐ高速道路は、舗装されてきれいなのは良いのだが、他の車がビュンビュン飛ばすしドライバーは気短ですぐクラクション鳴らすし(でも挨拶代わりにも鳴らしているようだ)、その他の場所では、車が少ないのはいいけれど道がぼこぼこでせまいので、クッションの悪い車では疲れる。ドライブが大好きという人以外にはレンタカーの旅はお薦めできないかも。

明日からの宿が決まっていなかったので、ホテルに電話することにした。最後の2泊ぐらいは少し贅沢に4つ星か5つ星ホテルでのんびりリゾートしたい。あちこち見て回ったけれど、最終日に空港に行くことを考えて、やはりスリーマか隣りのサンジュリアンSt.Julianがよい。リストアップして片っ端から電話をするが、どこも皆満室だとか係がもう帰ったということでとれなかった。弱気になって3つ星にかけると、マネージャがいないので予約は受け付けられないが、部屋はあるので明朝また電話して欲しいとのこと。マルタでは突発的に当日宿泊というのは難しいのだろうか。

さて、明日からの宿も決まったし、昨晩は夕飯抜きだったけれど、今宵は気合を入れて食べましょう!
宿の階下のレストランは客であふれていて盛況だ。ここでMaltese Foodsを楽しもう。前菜にタコのガーリックバター炒め(これがふかふかと柔らかくてとてもおいしかった!)、Swardfish with caper source(めかじきのケーパーソース和え)、Lampuki(シイラという魚)、ワインはマルタ産のシャルドネとカベルネソーヴィニヨン。シャルドネはおいしかった。満足。

5/6(次ページ)につづく…

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<このページの最終更新日:99/06/24>