ポルトガル旅行記

ロカ岬

リスボンから西へ。エストリル・カスカイスを通って海岸線を走る。ここいらは、コスタ・ド・ソル(太陽海岸)と呼ばれる欧州有数のリゾート地。やしの木が並んで南国の雰囲気がある。リスボンからは20kmほど、首都から気軽に行ける保養地だ。首都から近いし、なんとなく熱海の雰囲気があるなぁと思っていたら、カスカイスと熱海市は姉妹都市の関係にあるのだって。

穏やかな南向きの海岸線から、大西洋に出て西向きに変わると、途端に険しい景色に変わった。荒削りの崖が続く。ロッククライミングが盛んらしい。海の青が深い。近くに『ギンショの浜』というのがある。ギンショとは、ポルトガル語で『金切り声』のこと。確かに、崖に打ち寄せて砕け散る波は、激しく、金切り声のようだ。

ヨーロッパ大陸最西端のロカ岬を目指す。『→Cabo da Roca(ロカ岬こちら)』の看板を何枚か見るうちに、頭の中をRicky MartinのLivin' la vida locaの節がぐるぐるし始めた。日本語では同じロカでも、あちらはL、ロカ岬はRなんだけどね。


遠くにロカ岬がぼんやり見える


砂浜の細かい砂で丘ができていた。
風に吹かれた砂が道路を塞ぎ、足をとられる。
停まるとスタックしてしまいそうで、ローギアでおそるおそる進む。

ロカ岬近く。なぜか道路わきが焦げている。野焼き?山火事?


ロカ岬

『ここに陸尽き、海始まる Aqui onde a terra se acaba e o mar comeca』詩人、ルイス・デ・カモンイスの有名な言葉が、岬の先端に立つ十字架の碑に記されている。観光案内所では最西端証明書を発行してくれるらしい。この海の向こうはアメリカだ。岬を歩いていると、今度は『岬めぐり』の歌が口を突いて出てきた。

日本と変わらず暑いポルトガルだったが、この岬の風はあまりに強くて、ウィンドブレーカーを出して着た。みやげ物屋に、極太の毛糸で編んだあたたかそうなセーターがたくさん置いてあったが、真夏でも確かに毛糸のセーターが欲しくなるかもしれない。冬はどんなだろう。ぶるぶる。

 

シントラ

緑に囲まれた美しい景観の町、シントラ。リスボンからも約30kmと近いので、観光ルートになっているようだ。観光客で賑わって、華やかな雰囲気。

まずは腹ごしらえ。Restaurante Bristolでポルトガルの庶民の味、サルディーニャ・アサーダス(いわしの塩焼き)に挑戦。ビールを頼んだら、おつまみがどかどか出てきて、これだけでもお腹一杯。オリーブ(の漬物?)とか、マグロのパテとか、プロシュートハム入りとろけるチーズとか、…おいしかった!これって全部一人で食べてもいいのかな?パンと同じで?イワシは日本と同じ味。つけあわせのポテトも、サラダにオリーブ油+酢のドレッシングも全て美味。最後にビカ(エスプレッソ)を飲んだ。


様式も色もごちゃまぜ。遠目に見ると
おとぎの国のお城みたいだけど…

ペナ城Palacio da Penaへ。一方通行の道をひたすら登る。ムーアの城塞に行くのか、てくてく歩いている人、数人。30分くらいかと思ったが、かなり遠いぞぉ。トライしないでよかった。

ペナ城の外観は、ガイドブックでは殺風景なコンクリ色だったけれど、何年か前に塗り替えたようだ。赤や黄色やピンクに塗られ、ただでさえゴチャゴチャ様式なのに、更に混乱を極めている。どこも、くすんだり、カビていたり、保存が悪かったり、手間をかけてないように見える。古びた外観と中身で少しがっかり。迷路の城みたいで子供は喜びそう。城の内部も大したことはなかった。入口で、ポルトガル語がわからず戸惑う私に、無愛想な受け付けの女性。むっ。カメラって一言言えば私だって預けるんだなってわかるよーだ。後ろのおじさんには笑顔見せたくせに、冷たいなぁ。

山を降りて王宮を見学。こちらにはピカピカした調度品が揃い、豪華な中身を楽しめた。入場料が同じ600$とは思えない。日本人団体に初めて遭遇した。ガイドの話を横耳で聞く。
カササギの間 Sala das Pegasには、天上に152羽のカササギが描かれている。152羽のカササギが皆「POR BEM (for good:善意から)」と書かれた短冊付の赤いバラを足に抱えている。この部屋で、女官にキスしようとしたところを王妃に見つかった王が、邪心からではなく善意からだと言い訳したとか。この話が女官の間に広まり、それに辟易した王が女官の数のカササギを描かせたという。


白くて大きな双とんがり煙突が特徴の王宮
中は豪華な調度品や装飾の美しい部屋など。

ムーアの泉で私も水を補給し、海岸線を目指して出発。
シントラも迷路な町だ。一方通行が多く、細く曲がりくねった道が多い。看板を見落とさないようにしないと、なかなか次の町へ進めない。

『火宅の人』を書いた壇一雄が滞在したというSanta Cruzに泊まるつもりだったが、いまひとつ納得できず、ホテルも見つからないので、更に海岸線を北上する。


ムーアの泉には、地元の人がバイクで水を
汲みに来ていた。天然水?

 

コラム:ポルトガルのビール

最もポピュラーなのが、SagresとSuperBockという銘柄。「セルベージャ ポルファボール(ビールください)」というと、大抵このうちのどちらかが出てきた。あっさりとしていて飲みやすい。レストランでビールを飲んでも、150$(\75)。ジュースより安かったりする。

高速道路のサービスエリアでもビールを売ってる。もちろんワインも。一応飲酒運転禁止らしいけれど。

Sagresのサイトはこちら。 www.cerveja-sagres.pt
Superbockのサイトはこちら。 www.superbock.pt

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<このページの最終更新日:00/10/31>