ポルトガル旅行記

ナザレ Nazare

その名前から、なんとなく暗い漁村を想像していたが、そんなイメージは吹き飛んだ。明るく開放的で観光地化している。昔の映画ではひなびた漁村として登場したらしい。それを受け継いでか、旅行のパンフレットでは、素朴で昔ながらの生活を守っている漁村として紹介されている。しかし、海岸に張られた網や船は、そうしたイメージを保つために展示されているオブジェに見える。小さな漁村という雰囲気はもはやない。それでも、確かに路地裏を歩けば、おしゃべりしている黒い衣装の婦人や家のつくりなど、伝統的な暮らしを守っているという印象を受け、どこか郷愁的な感じがする。

露店市を見つけた。洋服、カバン、靴、時計、おもちゃ、音楽テープ、百を越えるにわか店舗で雑貨が売られている。皮のベルト1000$(¥500)を購入した。

路地裏の食堂で昼食。そこここで魚を焼いている。私は、caldeirada a Nazarena(ナザレ風魚スープ) を頼んだ。850$。おいしい。「セルベージャ ポルファボール(ビールください)」と言った私のポルトガル語を、ウェイターが発音いいねと誉めてくれた。アメリカの会社で働いてたことがあったそうだ。「日本から?」「ええ(どうしてわかるの?)」「日本のドコ?」「横浜。知ってる?」「ヨコハマ、コーベ、ナガサキ…」companyってnavyじゃないのか??1ヶ月だけここにいるんだって。残りはスペインに住んでいる?移民?

銀行を見つけて、両替をした。英語でやりとりしていたが、最後にオブリガード(ありがとう)と言うと、おや?と途端に笑顔になった。やっぱり現地語って嬉しいんだよね。でも、後で気づいたけれど、オブリガードって男性形だから、女性の私はオブリガーダと言わなければいけなかったのだ。もしかして、女性が男言葉を使ったのが、おや?という顔させたのかもしれない。

干物とかは日本と全く同じだけど、海藻は食べないのかなあ? まるで日本の海岸の風景のよう。鯵のひらき→

 

バターリャへ向かう途中、メロン販売所を見かけた。MELAO(メロン)やMELANCIA(スイカ)が山と積まれている。この暑さだから、よく売れるのだろうな。車が次々と停まっていく。

 

バターリャ Batalha

バターリャとは、ポルトガル語で戦いの意味。14世紀、侵入するカスティーリャ(スペイン)軍との戦いを前に、勝利のあかつきには修道院を建立するとの誓いを立てた王が、戦いに勝って建てた修道院が見所。ユネスコの世界遺産に指定されている。ちょっと沈んだ気分を高揚させるにはいい名前の町かもと、立ち寄ることにした。天井の高い豪奢な教会。カソリックの国なのだなあと実感する。ステンドグラスが美しい。

 

ポルト Porto

リスボンより一段とわかりにくく巨大な都市、ポルトPorto。何度か入ったが、うろうろ迷子になって高速に戻る、を3回繰り返し、とうとうあきらめてGUIMARAESへ向かう。考えてみれば、都会のPORTOにはさほど執着はない。大きな町は宿探しや駐車場探しが大変だ。高速に再び乗り、地図確認のために最初のサービスエリアに寄ったら、ベッドのマークを見つけた。サービスエリア内にホテルがあるのだ。GUIMARAESはここからまだ30km以上ありそうだし、宿探ししてたら、また9:00すぎだ。えい、とここに決めた。思ったより良い。昨日の宿に比べてないのはドライヤーと冷蔵庫くらい。何の不便もなし。これで7100$(¥3,600)なら、昨日の12000$は高すぎる。

サービスエリア.で買ったワインと昼食に出たツナペーストとパンで夕食。面白いのが、下りのサービスエリアには白ワインしかなく、上りには赤しかない。そんなこと、またどこにも書いてないし。

翌日チェックアウトの時、高速チケットの有効時間が12時間だからと一筆書いてもらった。へぇ、半日しかダメなんだ。じゃ、途中のサービスエリアで疲れて眠りこけてると時間切れになっちゃうのね。

 

コラム:道路標識

ポルトガル、特に都市部のリスボンなどの運転マナーが悪いのは有名らしい。毎年交通事故で亡くなる人の数はヨーロッパでもダントツだ。1997年の調査では、交通事故の死亡率が100万人あたり253人で、EU加盟15カ国平均の2倍にもなるという。

制限速度は、街中で50km/h、主要道路と高速道路では90kmと120kmと決められていて、町の入口や出口には必ず制限速度を示した標識が立っている。とはいっても、運転の荒いポルトガル人で、これをきちんと守っている人は少ないようだ。制限速度内で走っていれば、後ろからあおられる。追い越し禁止の標識も無視して、先を急ぐ車も多い。一昔前の日本ではないが、狭いポルトガル、そんなに急いでどこへ行く?と言いたくなるほど。私もついついつられて、早足になっていた。ゆっくり走っている車を追い越そうとしたら、前の車が邪魔をする。窓から手が伸びて、これこれ、ここを見ろ、と中央線を指差す。追い越しOKの点線になるまで待てというのだ。追い越しOKの標識が出てから、行っていいよと合図した。そうして私は追い越しOKの標識を覚えたのだった。

ポルトガルでは、運転が荒いだけではなく、道は狭くて曲がりくねっているし、標識や案内板がなかったり、あっても間違っていたり、わかりにくかったり、一瞬で読めないほど名前が長かったりと、一筋縄では行かない。しかし、都市部を離れて、山間の小さな村を通り過ぎたり、美しい海岸線を走ったり、川沿いの段々畑を眺めたりしていると、心を落ち着けてドライブを楽しもうという気になってしまう。

左の車が赤いときは追い越し禁止、黒いときは追い越しOK。

追い越しOK。中央線が点線なら追い越しOK、実線は禁止というのは、日本と同じ。
自動料金所レーン。橋や高速道路の料金所でこのマークが架かったレーンは自動料金所システム対応の車のみOK。

道路交通標識写真図鑑のサイトから、世界標識総合リンク集を発見。ポルトガルはこちら

ここで紹介されている  ヨーロッパの交通標識とルールThe Portugese Pedestrian は、ポルトガルドライブにお役立ち。追い越し禁止や学校のマークを見つけた!

 

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<このページの最終更新日:00/10/31>