車事情

日本車とアメリカ車

3ヶ月、6ヶ月の各滞在中に利用した車の数は全部で10台。レンタカーを借りていました。TOYOTA5割、FORD2割、SUBARU2割、その他1割という割合でした。やはり運転しやすいのは日本車。もちろんハンドルは左についているのですが、操作性、シートの座り心地、燃費どれをとってもやはり日本車の方が上のように思われました。とはいえ、せっかくアメリカにいるのだからとなるべくアメリカ製の車を運転したいとは思っていたのですが…。

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昔のアメリカ映画に出てきそうな車と金髪美女

カリフォルニア州の日本との相違点

車に関して、日本と比べてこんなに違う!と思ったことを順不同であげてみました。

車は右側通行(左ハンドル)

左ハンドルということは、ワイパーとウィンカーの関係も逆になります。曲がるつもりでついワイパーをバッコンバッコン、というのは左ハンドルの車を運転した人なら誰しも経験のあることでは?車に乗りこむときも、運転席と助手席を間違えたり…。また、左折した後に入るレーンを間違いやすいので、注意が必要です。

赤信号でも右折OK

右折専用レーンがあり、大抵の場所では信号が赤でも、左から車がこない限り右折しても構いません。信号が赤のときは右折してはいけません(No turn on red)、と信号機に書いてある所もたまにあります。

カープールレーン Car Pool Lane

ひし形マークのあるレーンは、カープールレーンです。指定時間の間、このレーンは複数人数乗った車の専用レーンとなります。運転手しか乗っていない車がカープールレーンを走ると、高額の罰金を払わせられます。複数で車をシェアすることにより、渋滞を緩和しようというのがねらいです。もとは、オイルショックの時の省エネ対策だったらしいです。ご近所同士、夫婦で車をシェアして通勤している人も多いようです。大抵は中央に近い方のレーンなのですが、道路によっては、一番端のレーンだったりするので、うっかりカープールレーンを走ってしまわないよう、ひし形マークにはご注意。
ベイエリアの交通渋滞は、東京までとはいかなくても、朝夕の通勤時にはかなり混雑します。残業をせずにキッチリ定時間で仕事をするアメリカのサラリーマンは、朝が早く、5時には既にサンフランシスコ近辺の道路はどこも光の帯で埋まっています。
カープールの制度は、全米共通なのかと思ったら、どうも違うようです。カリフォルニアではカープールレーンを表すひし形マークが、別の州ではbike lane(自転車用レーン)と書いてあるのを見ました。ということは、カリフォルニア州の運転免許試験には必須であるべき項目だと思うのですが、今まで試験にカープールのことが出たという話は聞いた事がありません。

左折用の共有エリアがある

黄色の実線と点線で囲まれた中央のレーンは、左折またはUターンのために一時停止できる場所です。どちらのレーンからも入れる共有エリアなので、逆側からこのエリアに入る車とぶつからないように注意しなければなりません。

Uターンできる場所がたくさんある

日本では、例えば目的のお店が右手にあって右折信号がない場合、道の中央に寄って向こうから走ってくる車が途切れるまでタイミングを待たなければなりません。
アメリカの大きな通りにはUターンできるところがたくさんあり、Uターン・左折用の信号もちゃんとあります。土地の広いアメリカならではなのだとは思いますが、これはかなり交通事故防止に役立っているのではないかと思います。なぜなら、Uターン・左折用信号が青のときには、他からの進入が一切ないので、あせって曲がる必要がないからです。また、目的の場所が進行方向とは逆側にあるとわかっている場合は、目的地を確認してからUターンすればよいので、見つけた時点で慌てて急に止まらなくても済みます。さらに、目的地の前で右折・左折のために一時停止すると、後続の車に追突される可能性もあり、後続の車が一時停止の車を避けるために急に車線変更して後続車に追突される可能性もあり、これらの事故を未然に防ぐことになります。

4 way stop

信号のない四つ角で車がはちあわせしたら誰が先に出るか?答えは、先に交差点に着いた順に出る、です。自分が何番目なのかを判断しなければいけないので、4台同時に来たときなどはちょっと緊張します。「たぶん私が先だと思うけど?」「そうそう、君が先だよ、行っていいよ」。この時ばかりはこんな会話を目線でしながら、そろそろと進みます。でも、気の荒い人だと、「何モタモタしてんだよ、オメーが先なのに!」とさっさか行かれてしまうのでご注意。

私のアパート近くの道路では、よく大雨の浸水による信号機故障があり、信号機が点滅していました。広い通りは5,6車線あるので、そうすると4台だけでなく15,6台が一斉にこの4 way stopの規則に従って動かなければならず、大変大変緊張しました。

スクールバス・スクールゾーンに注意

黄色いスクールバスが停車しているときは、子供達の乗り降りがあるときですから、後ろで静かに待っていなければいけません。また、日本でも同じことですが、近くに学校がある場所、スクールゾーンでは制限速度が低くなります。家の近所では25マイル/h(40km/h)でした。

車線が多い

多いところは10車線位あったりするところもあるので、高速で走っていると目的の場所までに右折レーンに入れずに通り過ぎてしまったり…なんてことがあり得るのでご注意。
日本のように、端側が走行車線で中央線側が老い越し車線、という決まりがなく(そう書いてあるのを見たことがない)、カープールレーンを除いては、どこも同じような進み具合です。そのため、急いでいるときに遅い車に追いつくと、カープールレーンを避けつつ車線変更をしていかなければならず、結構疲れます。

高速道路は無料

大抵のところでは。たまに有料の場所もありますが、日本のように何千円もとられるようなところはありません。ベイエリアでは、サンフランシスコに入る方の橋を渡るときに$1〜2払います。
高速道路が無料なので、出口を通りすぎてもまたUターンして乗ってしまえば済むので、楽です。

高速道路の入口に信号がある

これはカリフォルニアでもあまりないのかもしれませんが、アパートの近くの880号線入口では、朝の渋滞時間は信号が動いていて、一台ずつ本線に合流していました。

水はけが悪く夜は暗い道路

カリフォルニアは気候がいいとはいえ、11月〜3月の雨季にはかなりの雨が降ります。それなのに、道路の水はけが悪く、大雨の日にはすぐに道路は水浸し、信号機はあちこちで故障して点滅しています。路面は滑りやすく、水対策がまったくできていないようです。もしかしてこんなに雨が降るようになったのは最近なのでしょうか?
また、昼は強い陽射しでサングラスなしでは運転できませんし、夜は街灯が暗くて路面や標識がよく見えず、停止位置がわからないのでそろそろ進んだりします。周りが暗いので対向車のヘッドライトがまぶしく感じれられ、前面が何も見えないという恐ろしい場面が何度もありました。ですから、雨の夜の運転はかなり危険です。勘に頼っていたと言っても過言ではありません。

皆後ろを見ていない?

えぇっ?このわずかな隙間に入ろうって言うの!?…というほど狭い、車一台分くらいの車間距離に、堂々と割りこんでくる車が無数にありました。後ろの車がスピードを落とさなければ入れないような隙間にでも、どんどん入りこんできます。その代わり、こちらが狭い隙間に入ろうとしても、ちゃんと空けてくれるのです。日本だったらひんしゅくを買い、絶対に入れてもらえないでしょう。
カリフォルニアの人は、ただ単に後ろを見ていないだけではないかと思いました。その証拠に、こちらが止まって待っている方へバックしてきてぶつけられる、ということが2度もありました。カリフォルニア州運転免許の実地試験では、後方確認のテストは、大げさなほど首を回さないと合格にならないほどなのに…。普段しない動作だからこそ大げさにするのでしょうか。習慣になっている人は、自然に首が回りますもんね。

パッシングやハザードはあまり使わない

後ろを見ていないからなのか、狭い隙間に入れてくれてありがとう!という意識は全然ないようです。寛大な気持ちで譲っても、日本のように、アリガトウのハザードランプはついたことがないし、4way stopでもお先にどうぞ、のパッシングは見たことがありませんでした。
高速道路でふと目があったからという理由でガンで撃たれた、などという噂話を聞いたりすると、へたに目を合わせると命取り、コミュニケーションも無い方がいいのかもしれません。

飲酒運転は有無を言わさず刑務所入り

減点だけでは済みません。その晩は警察にお泊まりだそうです。私の周りではまだ体験した人はいないのですが。飲酒といっても、自分の許容量の範囲を越えたら、ということらしいです。不思議に思うのは、酒場にもちゃんと駐車場があることなんです。繁華街を走っている車を片っ端から検問にかければ必ずや何人かは捕まってしまうと思うのですが…。
車内に口の開いた酒瓶があってもいけないようです。酒瓶はトランクへ。

身体障害者用の駐車スペース

あらゆる駐車場で建物の入口に一番近い駐車スペースは、身障者用と決まっています。身障者マークがついているのですぐわかります。

サイズはFull,Mid,Compact

駐車スペースのところに、COMPACT と書かれていることがあります。車のサイズはcompact, mid, fullの順に大きくなっていくので、fullサイズの車をCOMPACTのスペースに止めようとしても、入りきらない場合があります。

頭から駐車

日本では、バックして駐車するのが一般的ですが、カリフォルニアの駐車場では皆お尻を向けて止まっています。日本の駐車場は狭いので、出し入れが便利なバックで入れるということなのでしょうか?広々としてその必要もないのにバックで入れている車があるのは、もうそのように習慣となってしまっているということなのでしょうね。あるいは、カリフォルニアではバックしている車を殆ど見かけなかったので、カリフォルニアの車は前進あるのみ!なのかも。

縁石の色

路上駐車できる場所とできない場所は、標識がない場所では色で見分けることができます(と思います。そうでないところもあるかもしれません)。縁石が赤は駐車禁止、黄色は商業車のみ、緑は15分だけOK、白は乗り降りのみ。青なら身障者用です。

ガソリンはセルフサービスとフルサービス

ガスステーション(ガソリンスタンド)のシステムは2通り。フルサービスとセルフサービス。両方ある所もありますが、カリフォルニアは殆どがセルフサービス。そして前払い。まずは窓口でガソリンを入れる場所の番号を告げ$10分、とか10ガロン分とか指定してお金を渡します。ノズルを差しこみ、メーターがキリのいい数字になるまで入れつづけます。満タンにしたいときは、とりあえず$20くらい渡します。ノズルの下にバネがついているのでそれを引っ掛けて差しこんでおけば、満タンになったときに自然に給油が止まるしくみになっています。あとはキリのいい金額になるまで手動で追加して調整します。
オレゴン州では、どこもフルサービスでした。アメリカでも州によっては違うのですね。カリフォルニアは全米でもガソリンの値段が高いところらしいです。

防犯ブザー

盗難防止のブザーがついている車にへたに触ると、とんでもない大きな音でブザーが鳴り出します。触らないまでも、近くで駐車してドアをバタンと閉めた振動でその車が揺れ、ブザーが鳴り出すこともあるようです。近くで聞いている方としては迷惑この上ないのですが、数分後に鳴り止みます。その間に人が駆けつけたりもしないようなので、皆、ああまた鳴っている、ぐらいにしか思っていないのでは?そうすると全然防犯の役割を果たさず、ただうるさいだけの無用の長物なんだけど…。

車に残して良いもの

盗難防止のため、貴重品は車内に残さずトランクにしまうのが常識です。また、ちょっと買物、のつもりで子供だけを車に残すのは幼児虐待の法律違反になるので、ご注意。つまり、車内には大切なものは何も残さないようにします。子供は宝だからと、トランクに入れるのももちろんいけません。

 

カリフォルニア州の運転免許証

カリフォルニア州では、居住者には10日以内に州の運転免許証をとるように義務付けています。国際免許もアメリカの他の州の免許も、カリフォルニア州で走行する許可証とはなり得ません。しかしこれは表向きの話のようです。実際には、10日以内で州の免許を取れる人はあまりいないだろうし、レンタカーは10日以上借りることができます。

10日以内の免許取得を促しつつも、外国人が州の運転免許証を手にするまでにはかなり時間がかかります。それは、申請者が外国人に限り、連邦移民帰化局(INS)に申請者の滞在期間を問い合わせ、それに基づいて免許証の発行をするということを行っているからです。
これは、不法移民対策にもとづき改正された移民法のせいなのですが、州と連邦の役所のやりとりがスムーズにいかず、免許交付までに大変時間がかかります。一年かかったという人もいます。私は半年の滞在の間にとうとう手にすることができませんでした。くやしーい、$12返してー!

なぜこうまでして厳しいのかというと、運転免許証が正当にカリフォルニア州に滞在する証の身分証明書として使われるからです。これは日本も同じですね。逆にこれがないと生活上かなり不便です。
現金をあまり持ち歩かないアメリカ人は、チェック(小切手)で支払いをします。このときにIDの提示を求められるし、21歳未満への酒類販売は禁じられているため、お酒を買うときにもIDの提示を求められます。免許証がないと、通常のこうした買物に、海外では命の次に大切と言われるパスポートを携帯しなければならないのです。酒場の入口でID提示を求められてパスポートを見せると、「おい、パスポートだって、へへっ」と笑われてしまいました。(なぜか)恥ずかしい…。(しかし、21歳未満に見られたのは嬉しい!)

参考までに、免許取得の手順を簡単に述べます。

  1. DMV(Department Motor of Vehcle)へ申請書と受験料を提出。
  2. その日のうちにすぐ学科試験を受験。選挙人を書く囲いつきのスタンドのようなところで、時間制限なし。36問中不正解が5問以下なら合格。日本語版で受験する場合は、申請のときに申し出る。ただし、日本語表現が一部不適切なところもある。1回の申請書で3回までチャレンジOK。4回目からは申請書再提出。
  3. 学科試験に合格すれば、視力検査の後、仮免許証発行。
  4. 実地試験の予約を入れる。(電話の予約受け付けもあるが、殆どつながらず、つながっても早口の英語で不機嫌に対応されることが多い)
  5. 実地試験用の車は持ちこみ。実地試験に使ってもよいという保険証が必要(レンタカー会社は近頃、all insuaranceからこの実地試験用保険は除外すると表明した模様)。仮免の身では一人で運転してはならず、必ず州の運転免許を保持した人が同伴でなければならない。
  6. 実地試験は方向指示器や手信号の知識から始まり、スムーズな発進、停止、停止位置、右折、左折、車線変更、バック、三角ターンなどひととおり行われる。確認は目線だけでなく大げさに首を回さないといけなかったり、停止線を踏んでいたらいけないなど、かなり厳しい(厳しさはDMVや試験官によりまちまち)。
  7. 実地試験が終了すると、その場で試験官が合否を教えてくれる。合格ならば、写真をとって終了。
  8. 自宅に免許証が届くのを待つ。その間は、仮免許証で運転しなければならない。

私の場合、5.の車両持ちこみの時に、レンタカーの保険ではカバーしていないからダメと言われました。役所も時々いいかげんだから、人によっては違うだろうと、試験を別の日に受けなおしたのに、運悪く同じ試験官にあたってしまい、やはり受けさせてもらえませんでした。DMVの場所を変えてもやはり同じことを言われ、仕方なく個人自動車教習で車を貸してくれるサービスを利用して受験しました。でも合格しても免許は結局届きませんでした。

運転免許証ではなく、IDカードの申請も同じくDMVで受けつけているのですが、3週間と言われたけれど3ヶ月たっても届かなかったのは同じでした。

免許やID取得、免許の更新に時間がかかりすぎているという問題については、サンフランシスコの日本総領事館が改善を求めて州政府と交渉をしているようですが、州政府側の人事交代や、州と連邦間の役所が絡んでくる関係から、残念ながら事態は未だ改善されていないようです。

California Department of Motor Vehicles カリフォルニア州 DMVのホームページ

交通違反

州免許がなくて逆によかったという事態もなかったわけではありません。9ヶ月の間に、私はスピード違反2回、駐車違反1回という不名誉な記録を残してしまったのですが、カリフォルニア州の免許には傷はつきませんでした。

1度目のスピード違反は、アリゾナで、サンノゼに戻る飛行機に遅刻しそうだったため、国立公園内35マイル制限を越えて走っていたところ、パトロール中の警察官とすれ違ってしまいました。罰金でも何でも払うから、早く解放して!飛行機が行っちゃう!と相当あせっていた私は、相手の言うことを殆ど理解できず、国際免許証を持つ外国人観光客だったからなのか、注意だけで罰金なしでした。なんてラッキー!
2度目のスピード違反はそうはいきませんでした。これもカリフォルニアではなく、ワシントン州を旅行中のことです。スピード違反をするほど早く走っている意識がなかったので、なぜ後ろからパトカーがくるのかなと思っていたら、どうやら私の車を追いかけているらしい。なぜすぐに止まらなかったかと怒られてしまいました。悪びれた様子が見られないと思ったのか、17マイルオーバーでしっかり$114もとられてしまいました。
駐車違反はカリフォルニアだったのですが、10分後くらいで罰金は$15程度だったように思います。コインを入れて車を離れる時間をあらかじめ指定するパーキングメーターを使う場合は、計画より遅くなることを見越して、多少多めに入れておかないといけないのかもしれません。

もしもパトカーに止められたときは、すぐに路肩に停止し、拳銃などを保持していないことを証明するために、両手をハンドルの上において待つようにしましょう。
また、罰金は、渡された住所宛にチェックを送らなければいけません。旅行中だからわからないだろうと、とぼけて罰金を支払わずに帰国しても、どこまでも督促状が追いかけてきます。そのうちに罰金の金額も高くなるので、おとなしく払いましょう。(払わずに帰国したのは私ではありませんよ。)

キーロック

交通違反のほかに私が失敗したことといえば、キーロックです。そのときのレンタカーには、運転席で集中ロックできる機能がなく、ドアを一つ一つ手動でロックしなければならないタイプでした。それで、鍵を車内に閉じ込めたままドアを閉めてしまいました。
あいにく、合鍵はいつも借りている近所のSan Jose空港にはなく、サンフランシスコ空港までとりにいかねばならないというのです。AAA(日本のJAFのようなもの)に加入していなかったため(加入していればタダ)、緊急道路サービスの業者を頼みました。こちらは24時間サービスだそうです。'96/1で$47でした。

Pro Star
tel 408-942-0303 fax 408-942-0587
1538 Gladding Court Milpitas, CA95035

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<このページの最終更新日:99/04/15>