カリフォルニアに持ち込めないもの
'97/9

入国の際に必要な手続きは、入国審査、税関検査とありますが、必要な書類が揃っていて虚偽の申請さえしていなければ、通常はスムーズに通れるものです。ところが、私は今回入国管理でひっかかり、さらに税関でもカバンを開けさせられ、シュウマイを没収されるという失敗をしてしまいました。
そもそもは、入管で足止めされたのがいけなかったようです。半年以上仕事で滞在するので、通常の観光ビザではなく、L1ビザで入国することになっていました。前回'96年に出張した時は全て揃えていたのですが、その時でさえ出せとも言われなかった書類を今回は持参するのを忘れてしまったのです。

本当なら入国拒否されるところだったのかも知れません。2,30分厳しく問い詰めた後で、管理官は肩をすくめ、「次からは忘れないように」と言って通してくれました。

それを見てアヤシイ奴と思われたのか、税関では他の人はするする素通りなのに、私だけが呼びとめられ、カバンを開けるよう命じられました。何度か外国に入国した中で、こんなことは初めてです。特に見られて困るものも入っていませんから、面倒だなぁと思うだけで、素直にカバンを開けました。カバンの中には、出発前に急いで横浜そごうのお惣菜コーナーで買ってきた辛子明太子と、その時についでにかった崎陽軒のシュウマイがはいっていました。やはり横浜みやげといったらこれでしょう。先に出張に来ている同僚へのお土産用に買ったもので、もちろん高級な方を買ったのです。係官はカバンを開けるだけでは許してくれず、それらお土産品の包装紙までびりびりと破かなければいけませんでした。シュウマイの包みを見て、

係「それは何だ?」
私「(シュウマイって英語でなんていうんだ?)dim sum(点心)。」
係「?材料は何だ?」
私「(シュウマイに何が入ってるかなんて考えたこともないよ、とあせる私)えーと、meat…porkかな…それと…」
係「ポーク?豚はいかん、豚は。」
私「え、でも、ちゃんと加工済みで、真空パックになってるんだよ」
係「豚はダメなんだ」

American航空の日本人対応係のような方がいて、その人も呼ばれ同じようなことを訴えてくれたのですが、結局その高級シュウマイは没収されてしまいました。うぅ、悔しい。係官達はきっとあれを部屋でボイルしてこっそり食べるんだわ…などと、恨みがましいことを思ったり。

不思議だったのは、明太子が何のお咎めも受けずに通ったこと。ピンク色のつぶつぶの入った軟体動物のような明太子を取り出して、ウェッという顔を隠しきれない係官、またしてもこれは何だ?と聞くので、日本食ブームだっていうのに、明太子も知らないの?と思いつつ、メンタイコなんて単語は知らないし、タラコだからcodかな…などとあれこれ考えました。多分fish eggかsea productsとでも言ったかもしれません。なぜ魚の卵が良くて豚肉はダメなんだ?

余談ですが、私の親がアメリカ入国した際もカバンを開けさせられ、日本から持ってきたバナナを没収されてしまったそうです。親子して同じことをしているなんて、恥ずかしい…。

このように、カリフォルニアの農産物を守るため、検疫をパスしたものでなければ、動植物、加工肉、果実、活花などは持ちこむことができません。これは空の入口に限ったことではなく、陸路でオレゴン州からカリフォルニア州に入る時にも、一旦停止させられ、動植物を持ちこんでいないか聞かれました。カバンやトランクを開けろとは言われませんでしたが。
あれ、でもネバダ州のRenoから戻るときには検疫所は通らなかったぞ。場所によりけりなのでしょうか。

後で聞くと、成田空港で売られているお土産品にはちゃんと検疫済みのシールが貼られているので、成田で買ったシュウマイならOKだそうです。

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<このページの最終更新日:99/03/12>