サマータイム

サマータイムとは、夏の間の日の長い期間に、時計を1時間進めて昼の時間を長くする制度です。欧米を中心に世界の約80ヶ国で実施されています。長くなった時間で余暇を楽しむことができ、照明や冷房の省エネルギー対策としても期待されています。日本では夏時間、サマータイムという言い方が一般的ですが、英語では、Daylight Saving Time(DST)と書かれることが多いようです。

サマータイムの実施期間や実施地域は国によって様々です。アメリカでは、サマータイムを採用していない州もあるため、サマータイムを採用している州としていない州を行き来する時に時計の針を調整しなければならない場合もあります。例えば、カリフォルニアのお隣りのアリゾナ州ではサマータイムを実施していないため、夏にアリゾナに入る時には時計を1時間遅らせなければいけません。

アメリカのサマータイムはいつからいつまでか?これを把握しておかないと、その時期に時間縛りの行動をしようとする時に混乱してしまいます。予約した飛行機に乗り遅れた!なんていうことも起こり得るのでご注意!
サマータイムは4月の第1日曜日の午前2時から始まり、10月最終日曜日の午前2時に終わります。例えば1999年のサマータイムは4月4日(日)の2:00から始まり、4月4日1:59の次は2:00ではなく3:00になります。そして、1999年10月31日(日)の1:59の次は2:00ではなく1:00に戻るのです。

サマータイム開始の時、私はちょうど皆でヨセミテ観光に出かけていました。翌朝は8:00に朝食に集まりましょう、と決めて各部屋に戻ったのですが、私の部屋ではサマータイムのことをすっかり忘れていたので、翌朝1時間遅刻してしまいました。8時のつもりで起きたのに、9時だったのです。他の皆が、優しかったからよかったのですが、これが飛行機や電車の予約だったら乗り遅れていたかもしれません。
また、サマータイム終了の時、今度は一人でオレゴン州に遊びに出かけていました。浜辺で出会った親子と仲良くなり、夕食までご馳走になってつい話し込んでしまいました。その晩の宿泊場所がまだ確保できていなかったので、刻々と夕闇が迫るうちにそわそわしてきました。もうそろそろおいとましなければと思っていると、今晩は1時間長いんだから慌てなくても大丈夫だよと言われ、初めてサマータイムの終りであることに気づきました。昼が1時間長いのも嬉しいけれど、秋の夜長に楽しいおしゃべりをしているときは、夜が1時間長いのも嬉しいものです。なんだか得をしたような気分になりました。

サマータイムが始まると、町中いっせいに時間が変わるかというと、そうでもありません。さすがに会社のコンピュータシステムなどはきちんとサマータイムになっていたのですが、お店や街中で見かける電光掲示板は切り替わっていたりいなかったり。境目の日は多少混乱しているようです。アパートの住民向けのテレビ番組の時計などは、2,3週間変わらずそのままでした。
電子レンジや留守番電話など、今はいろいろな電化製品にタイマーのついているものが多いので、家中の時計を合わせようとするとかなり大変なのではと思うのですが、皆どうしているのでしょう。季節の行事だからと手動で全部変えているのでしょうか。日本の時計には殆どないでしょうが、サマータイム実施国の時計は、サマータイム対応時計というのがあってもよさそうな気がします。デジタルの時計はそういう機能は普通についているものなのでしょうか?
パソコンOSのWindowsはサマータイムに対応しているので、設定をしておけば自動的に変わります。試しに[日付と時刻のプロパティ]で1999年4月4日の1:59に時刻を合わせてみてください。秒針が00に来たときには2:00にならずに3:00になってしまう筈です(この時、[タイムゾーン]を太平洋標準時(あるいは他のアメリカの地域)にし、[自動的に夏時間の調整をする]のチェックボックスがチェックされていなければなりません)。

日本でも、サマータイムが導入されたことがあります。戦後1948年5月から4年間続きましたが、反対の声が多く、廃止されました。しかし、近年また地球温暖化対策の一環として、サマータイムの導入が再検討されてきています。
うまく省エネにつながればいいのですが、余暇を楽しむというサマータイムの使い方は、日本はまだまだ勉強が必要かもしれません。

 

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<このページの最終更新日:99/03/14>